一週間後、ぼくは無職になります。

シーズン残り2試合となりました。今日の試合を終えれば、残りは最終節を残すのみとなります。
チームは前節の大敗により降格が決定してしまいました。シーズン途中からの参加となりましたが、チームの助けとなることが出来ずに、選手としての未熟さを改めて痛感する機会となりました。

シーズンの終了。
それが今の僕にとってなにを意味するのか。

それは無職生活の幕開けです。

僕はオーストラリアでは試合給という形で給料を頂いているので、シーズン以外の期間は給料がでません。そんなこともあり、オーストラリアのセミプロ選手はサッカーの他に仕事をしていることが普通です。

それでもなぜ僕は仕事をしなかったのか。
今後はどうしていくのか。
無職生活が差し迫った今、なにを思うのか。

こんなことを振り返りながら、アマチュア選手が海外でサッカーをしていくということのリアルをお届けできたらと思います。

目次

なぜ仕事をしなかったのか

新しいカメラを購入したので進化した写真にお付き合いください。

オーストラリアではサッカーの傍ら、仕事も両立していくのが一般的なサッカー選手の生活です。

現地の選手はフルタイムで働いている選手も多いです。
僕らのような外国人選手は、日本食レストランでアルバイトをしたり、ビザ延長のためにファームなどに行って仕事をすることが一般的です。

理由はわからないのですが、オーストラリアではサッカー選手に対する羽振りがよく、僕のようなレベルの選手でもサッカーだけで生活をしていく給料はもらうことができます。
とはいっても、練習は週に3日、試合は週末に一試合あるのみなので、仕事をすることは余裕で可能です。
最低時給が約1,800円ほどでかなり高いことから、アルバイトとして仕事をするだけでもかなりの貯金や生活の足しになります。

にもかかわらず、なぜ僕は仕事を始めなかったのか。

それは、勉強をするための時間をまとめて確保してみたかったからです。

みなさんも御存知の通り、僕はベジタリアン生活をしています。しかし、やってみると意外と奥が深く、栄養のことや環境のことなど知らないことばかりであることに気が付きました。
特に栄養に関しては、自分のパフォーマンスに関わってくることもあって、勉強をしたいという気持ちが強かったです。

しかし、ニュージーランドにいた頃の僕は平日はほぼ毎日仕事をしていたこともあって、勉強にさける時間の少なさに頭を悩ませていました。
なにか一つであれば時間をさけるのですが、僕は強欲ですので、英語もスペイン語も勉強したかったし、触れたことのないジャンルの本を読みたいという願望もありました。それに加えて寝ることが大好きなので、とても24時間じゃ時間が足りなかったです。

そんな時に訪れた、サッカーのみの給料で生活していけるというボーナスタイム。
僕はこの時間を仕事ではなく、勉強に費やすことに決めました。長い将来を見据えた時に、こんなにも時間を確保できることは意外と貴重かもしれないと感じたからです。

今働いて貯金をすることではなく、将来どこでも稼げるスキル、そのための勉強をしようと決めました。
よく言えば、投資です。

この判断が吉と出るのか、凶と出るのかはまだまだ先のことですし、これからの自分次第だと思います。

ただ一つ言えることは、無職生活を一週間後に控えた僕の心境は穏やかではないということです。
ふつうにかなり心配です。

今後はどうするのか

人生について考えるときは自然の中を歩くようにしてる。

問題はここです。ここまで読んでくれた人は「無職になることが分かっているなら働けよ」、そう思うと思います。
分かります。

しかし、そうは出来ない理由があります。

それは、今後どうするのか自分でもわからないからです。

サッカー選手である以上、チームからいらないと言われてしまえば来シーズンの居場所はありません。いつクビになるのかわからない、そんなリスキーな生活をしています。
ましてや僕らのようなプロではない中途半端な選手には、その国で滞在し続けるためにビザの問題を解決していかなくてはなりません。

サッカーだけでなく、ビザや仕事といったさまざまなことが絡み合ってくる海外生活において、僕はオーストラリアに住み続ける覚悟が出来ずにいました。

そんなこともあり、シーズン途中から移籍してきた僕は、先のことは一旦考えずに、サッカーで結果を残すことに集中しようと思いました。

そうやって過ごしてきて数ヶ月、いまだに先のことは分かりません。

ほんとうに自分でも分かりません。
いくつか自分の中でやりたいことと、現実性を考慮して選択肢は用意しています。
そのうちのどれに転がるのか、はたまた全く想定外の方向にいくのか、自分でも全く分かりません。

ただ一つ言えることは、数週間後には答えは出ているということです。むしろ、経過雨などが理由で出さざるをえない状況がやってきます。

僕みたいなケースが全てではないですが、海外でサッカーをしていくというスピード感はこんな感じです。

先のことは分からないけど、来るべきときは来るし、行先は神のみぞ知る。

こんな感じです。

無職生活を寸前に控えたいま、なにを思うのか。

根拠はないけど自然の中で考えたほうが素直になれる気がしてる。

僕は仕事を始めなかった自分を悔いてはいません。
海外でサッカーをしていく以上、先のことがわからないことも受け入れています。

それでもなにを責めたくなるかと言うと、自分の無力さです。


今の僕には職というものがありません。
見知らぬ土地に行ったら常にゼロからのスタートになります。
どこかの会社に雇われて仕事をしていない限り、僕には一円も収益が入ってきません。

かなり不安定な生き方をしています。以前までの僕であれば、「ぎりぎりの波乱万丈な人生を楽しんでやる」みたいなポジティブに捉えてなんとかなっていたのですが、今はそうでもないのが正直なところです。
実現したい生活と、現実の自分とのとてつもない距離に打ちひしがれています。
理想ばかり考えることも出来ず、現実的な思考を大切にするようになってきています。歳なのでしょうか。

役目を終えたおもちゃ。

とにかく僕は「どこでも稼げるなにか」を作れるかが鍵だと思っています。それが実現させたい生活を叶えるためには必須になってきます。

それを現時点で持ち合わせていない自分が情けない。

無職生活を目の前にして改めて痛感させられています。

まあ、なにはともあれ僕はこれからもしぶとく生きていこうと思っています。数週間後にどんな人生に踏み出すことになるのか自分でも楽しみです。
おそらく海外でサッカーしている人、生活している人はみんな似たような道を通ってきているのだろうなと思います。だから僕は海外で生活をしている人みんなをリスペクトしています(もちろん日本のみんなもリスペクトしています)。

僕がいま直面している状況は、今後の人生でもなかなか経験できないことだと思いますので、しっかり考えながら、楽しんで、乗り切っていきたいと思います。
報告待っててください。

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この記事を書いた人

Vegetarian x Athlete.
Football player in Australia(NPL South Australia).
Interested in Environment issues.

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