「都市とヴィーガン」−資本主義社会との相性について−

都会であればあるほどヴィーガンであることがむずかしいかもしれない

先日、三泊四日でメルボルンに旅行に行ってきました。3年近く田舎暮らししている僕にとっては、学生時代を東京で過ごした以来の都会で興奮と刺激の連続でした。

そんな日々の中で僕は「ベジタリアンでいることの難しさ」に直面しました。

なぜ都会に来たらベジタリアンでいることが難しいと感じたのか

そこから派生してヴィーガンと資本主義の相性について考えを広げてみましたので共有させてもらいたいと思います。

目次

都会ではヴィーガンでいることがハードになる

今回はメルボルンの美しい街並みをお届けします。

僕はヴィーガンではなくベジタリアンですが、メルボルンに滞在した四日間の率直な感想、ベジタリアンでいることが難しいと感じました。もっと言えば、肉や魚を食べたくなる衝動にたくさん駆られました。

次々に押し寄せてくる誘惑、シーズン後の息抜き、いろんな要素が絡まった結果、気がつけば僕は焼肉を食していました。ベジタリアンがお肉を食べた記事はこちら

美味しかったです。

なぜこのようなことになったのでしょうか。

都会は食の選択肢が多い

メルボルンって感じのストリート。

メルボルンという大都会には、クライストチャーチやアデレードではみることのなかった類の飲食店を、たくさん目にしました。
まずは焼肉屋さんです。3年ぶりに見た炭火焼肉には興奮せざるを得ませんでした。ほかにも博多ラーメンなど、日本と変わらないクオリティのレストランが多くありました。

都会になればなるほどレストランや飲食店の数も増えますし、種類も鮮やかになります。「なにを当たり前のことを」と思うかもしれませんが、この選択肢の多さが及ぼす影響はベジタリアンの僕にとって小さいものではありませんでした。

学生時代を東京で過ごし、海外では出身を東京と名乗っている僕にとって、街に焼肉屋さんや寿司屋があることは普通のことでした。なにか食べたいものがあれば、そのレストランを選ぶことが出来たのが僕が育ってきた環境です。

これがクライストチャーチの中心部
クライストチャーチの街並みもいい感じ。

しかし、ニュージーランド(クライストチャーチ)ではそうではありませんでした。
べつにクライストチャーチはど田舎というわけではなくて、必要なものは大体揃っているのですが、焼肉屋さんや寿司屋はありませんでした。
あったとしてもBBQみたいなレストランで、日本で食べていたような焼肉スタイルとあのクオリティは得られません。SUSHIもチキンやサーモンをくるんでおけばオッケーみたいなロールしかありませんでした。
(それでも喜んで食べるし幸せなんですけどね。)

そんな事もあって、日常で焼肉や寿司に誘惑されることがなかったので、比較的簡単にベジタリアン生活を送ることが出来ました。

しかし、都会に来た瞬間、東京や日本を思い出し、「こんなに美味しいものがあちらこちらから誘惑してきたら大変だ」と感じたのが正直なところです。

選択肢が増えるのはヴィーガンやベジタリアンにとっても同じではないか

メルボルンって感じ夜ver.

たしかにそうです。
ヴィーガン専用のレストランや、ヴィーガン対応のレストランも多くありました。カフェなどにもヴィーガン対応のメニューが用意されていたり、迫りくる菜食のムーブメントにしっかりと対応している印象を受けました。

たしかに、ベジタリアンやヴィーガンの方でも困らずに食を選べる選択肢が増えます。

しかし、正直に言うと、僕は久しぶりにみる焼肉やラーメンのほうが魅力的に見えてしまいました。
僕のようなもともと肉や魚を食べて育ち、しかも肉が好きな人間にとっては、いまだに焼肉は魅力的なものにみえてしまいます。
これが現実です。

ヴィーガンにはファッション的な要素が必要

閉店後のカフェのオーラが凄かった。

そんな誘惑の多い世の中でも健やかにヴィーガンでいるためには

魅力的な肉屋さんや寿司屋にヴィーガンレストランが勝っていくには

僕は味や価格以外での、ほかの魅力が必要だと思っています。それはうまい言葉が見つかりませんが価値観の部分で勝負する必要があると思っています。

生地や見た目は大して変わらないのに、ロゴが入っているだけで高いお金を払って身につけるブランド品。あの時に得られる心地よさと似たものがヴィーガンにも必要であると考えています。

実際に僕はベジタリアンであり続けるために、この感覚を大切にしています。

資本主義との相性の悪さ

きっと世界で一番おしゃれなH&M。

社会が資本主義である以上、人の集まる場所に飲食店も集まります。競合に打ち勝つためにオリジナリティを追求し、その結果バリエーション豊かな飲食店が並ぶようになってきます。しかし、それでは収まらず、最終的には価格競争に入ってきます。

そうなってくると、現時点ではヴィーガンやベジタリアンのレストランは厳しいように思います。
なぜなら、ベジタリアンの僕ですら焼肉のほうが魅力的に思えてしまったからです。

ヴィーガンレストランなどは、環境問題にも意識が強いイメージが強く、オーガニック野菜を使用している店も多いです。そうなってくると、どうしても価格競争では勝ちにくいように思えてしまいます。

だからこそ僕は、ヴィーガンにはファッション的な魅力がもっと必要であると考えています。先に述べた、ブランド品を身につけているだけでなんか心地よいあの感覚が大事です。

「ヴィーガンレストランを選択し、食事をすることでなんか気分良くなれる。」
この感覚がないと都会でヴィーガンを続けていくには難しいように僕は思いました。

日本に帰国してからが大変そう

夜のメルボルンも美しい。

前からわかっていたことですが、今回メルボルンを経験したことによって、帰国後のベジタリアン生活がそう簡単でないことを確信しました。

しかし、わかっていれば対策を立てることが出来ます。

僕の作戦は2つ。

一つはとにかくベジタリアンのモチベーションを高める。
ベジタリアンアスリートについての本を読んだり、環境問題について勉強をすれば比較的簡単にモチベーションを高めることが出来ます。

もう一つはファッション機能を高めることです。
細かい方法はまだ思いついていませんが、ベジタリアンでいることが「心地よい」と思える状態をより高めておくことで日本の食誘惑に惑わされずに住むのではないかと思います。

とにかく今回は、

都会になればなるほど、飲食店の選択肢が増え、魅力が倍増し、肉や魚の誘惑によってベジタリアンでいることが難しくなる

という経験を伝えたかった記事となりました。

ニュージーランドの田舎に住んでいた経験ならではなので、参考にしてもらえれば嬉しいです。

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この記事を書いた人

Vegetarian x Athlete.
Football player in Australia(NPL South Australia).
Interested in Environment issues.

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