僕が、3年間の海外生活を「有料」で販売する理由

この度、3年間の海外生活に一度区切りをつけ、日本に帰国することが決まりました。そして、この3年間(厳密に言えば2年9ヶ月)、ニュージーランドとオーストラリアで経験したことを振り返り、その記事を有料で販売したいと思います。

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こちらが今回販売する有料記事です

有名人でもプロサッカー選手でもないこの僕がなぜ有料で記事を販売するのか。
ただの海外経験談にお金を払う価値はあるのか。

思うところはたくさんあると思います。しかし、僕は今回の活動を通じてある問題を解決したいと考えています。

それは日本の海外に出にくい環境です。

僕自身、海外に出るに当たって一年近くの貯金期間を要しましたし、犠牲にしたことも多くあると感じています。それでも僕は海外に出てよかったと思っていますし、もし海外に行きたい気持ちがあるならば、是非挑戦すべきだと考えています。それでも、そう簡単には出来ない理由が今の日本にはあると感じています。

今回の記事では、海外に出にくい理由を明らかにし、そして僕の海外経験談有料販売という活動を通して実現していきたい世界観について書いていきたいと思います。

目次

なぜただの海外生活を有料で販売するのか

NZのファームで住んでいた小屋です。

冒頭でも説明しましたが、僕が3年間の海外生活を振り返った記事を有料で販売する理由はある問題を解決したいからです。そして、その問題とは日本の海外に出にくい環境であり、それを変えていきたいと考えています。

なぜ海外に出にくいのか

NZの絶景もたくさん紹介しています。

理由は3つあると考えています。

1,準備金 

御存知の通り、海外に行く(今回の場合ワーキングホリデー)にはある程度のまとまったお金があらかじめ必要になってきます。例えば、オーストラリアであればビザ申請時の審査の時点で$5,000ほど持ち合わせておく必要があります。同様に多くの国で同じような資金面の条件が定められています。それだけでなく、滞在してから当分の生活をするための資金など、準備金が多いに越したことはありません。僕も資金を貯金をするために一年弱の時間を要し、少ないほうだとは思いますが60万円ほどの資金を抱えニュージーランドに飛び立ちました。

海外に出ていくための資金集めがそもそもハードルを高めていると考えます。

2,キャリア

日本の会社では今でも多くが年功序列を採用しています。つまり働き続けたほうが、給料が高くなっていく仕組みになっています。「せっかく給料が上がり始めているのに、ここで辞めるのはもったいないかも…」、そんな心理になってしまってもおかしくありません。

また語学力にもよりますが、多くの人が語学力ゼロで挑戦する海外生活では、働ける仕事がかなり限られてきます。レストランなどでアルバイトというのが最も多いパターンだと思います。海外の飲食店で働くことは立派な経験だと思いますが、日本で会社に勤めている場合と比較すると、得られる仕事のスキルが全く違います。帰国後の仕事に活かせるかと言えば、そうではないし、海外に行っていた期間の差を埋めることは簡単ではないことを否めません。

つまり、海外に出ている間に積み上げられたであろうスキルやキャリアを考慮することが、海外に出ることを妨げている原因であると考えています。

3,帰国後のお金

ワーキングホリデーなどで海外で働き、貯蓄をすることは簡単なことではないと思っています。言葉の違う環境で一生懸命働き、稼いだ給料で家賃や食費、その他生活費を払っていくとなると、残る金額はそう多くありません。現地ならではの体験、例えば海外の友達とご飯に行ったりすれば貯金はより一層難しくなります。僕もニュージーランドにいた頃は給料と生活費が同じくらいの金額で貯金なんてできる状況ではありませんでした。それでもチームメイトと遊んだり、フラットメイトと飲んだりと現地ならではの経験をしたい一方で、金銭的に我慢しなくてはならなかった思い出もあります。

つまり、帰国後のお金への不安が、そもそものチャレンジの妨げになっている可能性があります。そして、仮に海外にでれたとしてもお金が問題で経験を損失している可能性があります。

僕はもっとお金を経験に使えばよかったという後悔もあります。

【僕からの提案】経験に価値をつけてもらう

いままで誰にも見せることなかったサッカーノートも少し公開しています。

上記の問題をクリアすべく、僕が提案したいのは「経験に価値をつけてもらう」ことです。

今回で言えば、僕が3年間かけて海外で経験してきたことに皆さんから価値を付けて頂きたいと考えています。僕はこの仕組みは奨学金ともクラウドファンディングとも違う、新たなタイプの支援型投資だと考えています。

奨学金やクラウドファンディングとはどう違うのか。
なぜ新たな仕組みが必要なのか。

順を追って説明をしていきたいと思います。

準備金の問題は50%以上解決されてきている

海外に出にくい環境を作り上げている一つの理由として準備金を挙げました。海外で生活していくためにあらかじめ必要な準備金が多いためにハードルが高くなってしまっています。

しかしながら、実はこの問題は50%以上(僕の感覚的数値です)は解決されてきているのではないかと思います。
その解決策となっているのがクラウドファンディングです。自身でプロジェクトを作成することで、海外生活に必要な資金を支援者から募ることが出来ます。実際にTwitterでも、クラウドファンディングで資金を集め、海外サッカーに挑戦するような選手も増えてきました。
とても魅力的な仕組みですが、僕には無視できない欠点があります。

海外に行きたいすべての人が立派な野望があるわけではない

クラウドファンディングはプロジェクトありきの支援。

クラウドファンディングをするのに必要なことはプロジェクトを立ち上げることです。
「海外に行ってこれをやりたい。そのために資金援助をしてください。」これが一般的なクラウドファンディングの流れだと思います。たしかにハードルの低い支援とはいえ、お金を払っている以上、その人の挑戦に投資をしているわけで、そこにはリターンが求められます。

しかしながら、海外を志す全ての人が立派な野望をもっているわけではありません。僕がまさにそうで、海外でサッカーをしたいという想いはあれど、計画や目標があるわけではありませんでした。それが理由で「とてもじゃないけどクラウドファンディングなんて出来ない」と当時思っていました。

しかし、中途半端な思いであろうが海外に飛び出し、3年が経ったいま思うことは、「立派な野望がなくても、興味があるなら海外に出てみる価値は大いにある」です。

極論、「なんとなく」でもいい

僕は海外に出るのに立派な理由は必要ないと考えています。もちろんあるに越したことはないと思います。

だけど、僕は「なんとなく面白そうだから」、「なんとなく好きそうな感じがしたから」、それだけで海外に出るための理由は十分だと思っています。
なぜなら僕もそうだったからです。海外に出る前は、「帰国後にこんな仕事をするために…」なんて考えられていませんでした。

しかし、今は当時からは想像もできないような価値観をもって生活をしています。いまだに仕事の方向性は見えてはいませんが、3年前に海外に出る前よりは面白そうな方向に転がっている手応えだけはあります。

何が言いたいかというと、ぼくのような「なんとなく海外に行きたい人」がまだまだ日本には潜在していると思っていて、その人達はぜひ海外に出てみるべきだと思います。特に若く、出ていきやすいときに。

なぜ海外に出たほうが良いのか

ここについて語り始めると一晩は費やすことになりそうなので、一つだけ良い面を挙げると、価値観の幅が広がるからです。ありきたりな言葉ですみません。ただ、日本にいては経験できないことが海外だと日常茶飯事で発生します。そういった環境に身をおいておくと物事の見方が少しずつ変わってきます。

価値観の幅が広がるとなぜ良いのかと言うと、「生きやすくなるから」だと思います。自分がどんなことが好きで、どこにストレスを感じるのか。そんなことを知るための体験が海外の方が幅広く出来ます。もっと言えば、価値観の幅が広がることによってビジネスのアイデアにもなるのではないでしょうか。

例えば、日本ではレストランの入り口に食品サンプルが置いてあったり、メニューに写真が載っているのが普通だと思います。しかし、西洋の文化の強いニュージーランドやオーストラリアではメニューは文字のみです。
ここから「日本(アジア)の人は視覚的にわかりやすく情報を得たいのか?」「西洋の人はわかり易さよりも美的感覚を重要視するのか?」などと仮説を立てることが出来ます。海外を経験するからこそ得られるビジネスアイデアもあるのではないでしょうか。

そして海外では経験を大切にしたほうが良い

「海外にいながらもお金に追われてアルバイトの毎日」

こんな生活や経験もすごく価値があると思います。ですが、欲を言えばお金よりも現地での海外経験を優先すべきだと思っています。

その理由は、現地での経験が今後のキャリアに活きてくる可能性があるからです。

例えば、お金をかけて現地のレストランで外食をする。例えば、お金をかけて遠いところでも人に会いにいく。例えば、お金のための仕事をやめて友だちと過ごす時間を増やしてみる。
経験は様々ですが、こんな何気ない海外生活の経験が今後のビジネスに影響を与える可能性を僕は信じています。

僕自身、ニュージーランドにいた頃は車を買うお金すらなくて、移動手段がないためにクラブのサッカーコーチを手伝うことが出来ませんでした。しかし、オーストラリアに来てから、車を買ってサッカーコーチをさせてもらっていたのですが、非常に良い経験になったと思っています。今はまだまだ難しいですが、英語でのサッカー指導ができるように慣れば今後世界中の多くの国でサッカーを教えることができるようになってきます。もしかしたら、日本でも英語でサッカーを教えるという取り組みで仕事ができるかもしれません。
このように現地ならではの経験に全力を注ぐことで、将来の仕事ややりたいことのきっかけが見つかる可能性を高めることができると僕は考えています。

結論、お金とキャリアの問題を解決したい(和らげたい)。

経験に価値を与えてもらう仕組みについて

海外生活ならではの苦悩がたくさんあります。

長々と現在普及しているクラウドファンディングの仕組みと、海外に出にくい環境の理由について関係性や僕の意見を書いてきました。
何が言いたかったかと言いますと、今回の経験に価値を与えてもらう仕組みは、海外挑戦を妨げている「お金」と「キャリア」の問題を解決するのではないかと考えています。

経験に価値を与えてもらう仕組みについて

文章ではわかりにくいのかもしれないので図にしました。ポイントとして、海外で得た経験を有料の文章(今回の場合)にすることで、後から経験に価値を付けてもらうことが出来ます。
期待したい海外挑戦者への行動は「この経験がいつかお金(価値)になる」と信じ、お金への不安を和らげ、現地での経験を重視した活動となることです。

またターゲット層としては、「立派な計画や目標を持っていない」海外に興味のある人達です。もちろん目標を持っている人たちも含まれていますが、ポイントはクラウドファンディング等に自信のない層です。
期待できることとしては、「なんとなくだけど海外にいってみたい」という人たちの、海外へのハードルを下げることです。そして、「特に考えていなかったけど海外に行ってやりたいことが見えてきた」なんてなれば最高です。

そしてこの仕組みの何よりの特徴は、「原体験への投資」となっていることです。
普通、クラウドファンディングや投資は、やりたいプロジェクトが予めあって、それを実行するために資金援助を要求します。しかし、この新しい仕組みはプロジェクトがない段階で資金援助を受けることにあります。

経験後の支援もらえれば、より一層経験にお金を割ける。


なにかビジネスや今後のやりたいことを見つけるには、そのきっかけとなる出来事があります。それを見つけるには多くの経験が必要です。
しかし、今の環境ではお金の不安から経験を存分にできない状況があります。そこで、不安を取り除くべく後から支援者が資金援助をすることによって、現地での経験に活動の重きを置き「きっかけづくり」を増やしてもらえればと思います。

つまりこれは一般的に行われている投資のもう一段階前の資金援助になります。

支援者へのリターンについて

日本では体験することがなかったであろう経験を人の経験から知ることが出来ます。

「そんなの無料でブログでもYou Tubeでも見れる時代に意味があるのか」
そのとおりだと思います。この仕組みはまだまだ支援者による応援ベースによって成り立つものであるのが事実です。

ですが、海外に出るということは、その期間の日本での「キャリア」と「時間」を引き換えに行くようなものだと思います。悪い言い方をすればキャリアと時間を犠牲にしてまでも海外に飛び出しているということです。

そこまでして得た経験には少なからず価値があって、それがお金として換金されてもいいのではないかと僕は思います。
ですので、支援してくださる方は挑戦者の経験を知れると体験を温かい気持ちを持って受け止めて貰えればと思います。

なにより海外で経験を積んでいる人と、日本で経験を積んでいる人が交わる機会が増えればもっとおもしろい化学反応が起こるのではないかと僕は期待しています。

海外にいながら日本の人と交流したい気持ちがずっとありました。

さいごに…「世の中は循環している」

僕は海外に出てよかったと心から思います。

最後に僕が大切にしているニュージーランドでの経験について話させてください。

僕はニュージーランドに住み始めて一年が経過した頃、ビザの関係で働くことが出来ない生活を強いられました。つまり、それまでにあった貯金を切り崩していく生活が半年近く続きました。それでも僕はサッカーをこの国で続けたかったし、もっとこの国で生活をしていたいと思っていたので、なし崩しの貯金を切り崩して生活をする覚悟を決めました。
外食なんてもちろんする余裕もなかったし、周りのチームメイトがビールを飲んでいる中、僕は水で我慢をする生活。心の底では「ニュージーランドならでは」みたいな大自然やアクティビティを体験したいという気持ちがあっても、お金がなくて諦めなければなりませんでした。
なによりも、増えることはなく、減り続けていく貯金残高を見て駆り立てられる将来への不安は今までに経験したことのないものでした。正直、かなり辛かったです。

それでもなぜ僕が生き延びてこられたかと言うと、「周りの人々からの手助け」があったからです。

チームメイトは車のない僕に毎日「今日は送り迎えいるか?」と声をかけてくれたし、「なにか助けが必要だったら、すぐに言えよ」と言ってくれるチームメイトがたくさんいました。その中でも一人、僕の生活を助けてくれた恩人が教えてくれた言葉が1番心に残っています。

「僕も若いときに海外に一人で来て相当苦しんだ。お金もなかったし、食べるものすら満足にいかない時期もあった。そんな時に助けてくれたおじさんがいたんだ。だから僕はこうしてここにいる。そして、次は僕の番なんだと。あれから何年も経ったけど、やっとこうして困った人を助けられる立場になった。だから僕は君をサポートできて嬉しいよ。そして君もいつか同じように困っている人を助けられたらもっと嬉しいね。」


こんな話をしてくれました。そして彼が僕にこの話をしてくれたのは、僕が新しいビザの更新を受けて、彼に報告に行った時。そしてそのちょうど数日前に彼を助けてくれたおじさんは亡くなられたみたいです。僕はこのおじさんがいなかったら、彼から手助けを得ることは出来なかっただろうし、そうなればニュージーランドで生き延びることは叶わず日本への帰国を余儀なくされていたことを一瞬にして理解しました。そしてその時に気が付きました。
この世の中は循環しているんだと。

今できることはまだ少ないかもしれません。しかし次は僕の番だと思っています。

インドや中国のIT業界は人材に投資してアメリカに送り込んだことでIT国家として成長を遂げました。サッカー界でも同じようなムーブメントが起きようとしています。海外に飛び出せる意欲のある若者にどんどん投資をして、成長を促していくべきです。そうでもしないと日本はどんどん世界から取り残されていきます。

そして僕の想いは、このムーブメントがエリートではない僕らのような人たちにも広がってくることです。

特別なスキルもないし、立派な野望もない、けれど海外には興味がある。そんな人にもっと投資をして、なにか人生を変えるきっかけを掴んでもらいたい。

そのために少しでも海外に出やすい環境づくりの布石となればと思い、今回の海外経験の有料記事販売を試みようと思いました。

たしかに僕のような人間に投資をしてもらえるような価値は今はないかもしれません。だけど、将来は分かりません。今の僕に困っている人を金銭的に助けられる余裕はないかもしれません。だけど、いまこの苦しい時に助けられた出来事は一生忘れないし、今後長い年月をかけて、海外で経験したことを活かしつつ恩返ししていければと考えています。絶対に恩返ししていきます。

今回の活動を通じて僕が見たい世界観は「助け合いの世界」です。今助けられる人が困っている人に手を差し伸べ、それが次の世代や他の人に繋がっていく。そんな助け合いの世界が少しでも今回の活動を通じて実現できていければとても嬉しいです。
おじさんが彼を手助けし、大人になった彼が僕を手助けしてくれたみたいに…

長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございます。
少しでも興味を持っていただけた方々。
以下の記事に価値を付けて頂けると嬉しいです。僕のニュージーランドとオーストラリアでの3年間が詰まっています。

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よろしくおねがいします。

【この記事を買って得られること】

・僕の3年間の海外生活の全貌
→死ぬほど苦しかった経験や、海外ならではの経験
→価値観を変えるような嬉しかった出来事

・ニュージーランドとオーストラリアでのサッカーについて
 →チーム探しや環境、日本との違いなど

→誰にも見せてこなかったサッカーノート(英語版)も少し公開

・英語の上達スピードの振り返り
 →それぞれの時期で行っていた勉強法など

→苦悩や反省、今後の課題も

・文化の違いから、僕がなにを思い、なにを感じたか

・ベジタリアンに興味を持った経緯

などなどです。
よろしくおねがいします。

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この記事を書いた人

Vegetarian x Athlete.
Football player in Australia(NPL South Australia).
Interested in Environment issues.

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