ご報告。念願であったスペインサッカーは一ヶ月で終わりを告げました。

タイトルから分かるように、この度、スペインでのサッカー生活をわずか一ヶ月で終えることになりました。応援してくれていた方もいますので、簡潔にご報告させて頂ければと思います。

先月の2023年1月についに僕は長年の念願であったスペインでのサッカー生活をスタートさせることが出来ました。契約できるのか、それともトライアウトを受けるのかもよく分かっていない状態でとりあえずスペインに乗り込み、右も左も分からないまま練習参加をしていました。エージェントから参加するチームについての情報をもらったのが、予定していたフライト日の前日でした。そのくらい急に動く物事にとにかく突っ込んでいきました。

参加をしていたクラブはスペイン5部リーグにあたり、チームやリーグのレベルも高く「ここでならサッカー選手としてさらにうまくなれる」と心高く毎日を過ごしていました。しかし、そんな日々も長くは続かず、到着からわずか約10日が過ぎた頃にクラブから「契約できない」と告げられました。あの日の悔しさは今でも鮮明に刻まれています。

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それから同じクラブのセカンドチームにあたるチームに居場所を移し、練習参加をしていました。正直に言うと、レベルはかなり落ちました。それでもこの環境で生きていくことで成長できると信じ、サッカーとそして自分自身と向き合い続けました。

その間にコロナに感染し、慣れない環境で死にそうになりながら、そして時を同じくして強烈なスペイン人ルームメイトが入ってきてストレスが爆発しそうになる時期もありました。

そんなこんなを乗り越えて練習に戻り、練習試合にも出始めて、さあこれからだという時期にコーチからの連絡がありました。

「試合に出るためのライセンスを君に与えることはできない。つまり、君にはこのチームを去ってもらわないといけない」と。

スペインに来てからちょうど一ヶ月が経過しようとした頃でした。

これまでもいろんな状況に突っ込んできてなんとか乗り越えてきたつもりの自分ですが、さすがに今回は「まじか。」となりました。

このチームでプレーが出来なかったら、次。もちろんこの選択肢が一番に浮かびました。なんせ、小学校の頃からバルセロナを愛し、スペインのサッカーに憧れを抱いていたからです。スペインのワーホリビザを取得するために4ヶ月も日本で滞在もしたので、そう簡単に諦めるわけにはいきません。

しかし、スペインの他のチームを探して移籍をするという選択肢を選びませんでした。

理由は主に時期と気力です。スペインの5部リーグ以上は1月31日をもって移籍期間が閉まるという情報があったので、したがってこれから移籍できるのは6部以下のチームということになります。そしてチームを離れるように告げられた2月の中旬。リーグはすでに終盤に差し掛かっていて、4月いっぱいでリーグは終了します。

つまり、およそ2ヶ月のためにゼロからチームを探し始め、練習参加をして、そのクラブに近い場所に家を探して、生活をしていくために仕事も探して、というすべての事をやる必要があるということです。そこまでしてでも参加できるのは、正直レベルが低いと思っていた6部以下のチームです。この2つを秤にかけた時に、ここに立ち向かうだけの気力が僕には残っていませんでした。

ということで、僕はスペインでのサッカー生活を終了します。

通告を受けた夜から一夜考え、心と頭を冷静に落ち着かせてから判断をしました。すべてに踏ん切りをつけるために、三日後の「Barcelona FC vs Manchester United」の試合のチケットをまず購入しました。20000円という安くないチケットを購入することで、他の選択肢と別れを告げたつもりです。この記事を書いている今はバルセロナに向けて出発する前夜で、荷物の半分(サッカー用具)は日本に送りました。送料30000円しました。

この決断が正しいのかなんて分からないし、もしかしたら逃げていると思われるかもしれません。ただ、もう後戻りは出来ません。

せっかくなのでかるくヨーロッパを歩き回ってから一旦、日本に帰りたいと思います。その後についてはまた決まり次第ご報告したいと思います。

これだけみるとネガティブに思えますが、意外にも僕の心境は前向きです。もちろん念願であったスペインで充実したサッカー生活を送れなかったことは残念ですし、悔しいです。それでもこれ以上他にチームを探してでもスペインに残らないのは、それ以上にやりたいことが今の僕にはあるからです。そのために、スペインでの生活はここで終わりにして次に進みたいと思います。

そして何より、僕にとってほろ苦いスペイン生活になってしまいましたが、僕はスペインへ挑戦したことを後悔はしていません。

スペインに来たからこそ分かるスペイン語の難しさであったり、ずっと体感したかったスペインサッカーも少しながらも経験することが出来ました。ティキタカは下部リーグであっても健在だったし、ユース年代でも「ちゃんとサッカーしている」ことに驚きでした。日本の育成年代とは全く違うソレがありました。また、スペインというとパス回しに目が行きがちですが、それ以上に球際のインテンシティが高かったことが印象的です。そして僕のような華奢な体つきした選手がスペインには多く、それでもフィジカルを言い訳にしないようなプレースタイルで生き抜いている選手がたくさんいました。とても興味深かったです。

僕にとってスペインサッカーはとても短かったですが、間違いなくスペインのサッカー文化をこの目で見たし、この体で体感しました。このことに一切の悔いはないですし、知ることが出来て本当に良かったと思っています。
いつか僕なりにスペインについて感じたことも書いていきたいと思います。

もう一度言いますが、スペインに来てよかったと心の底から思っています。僕はこの経験をしっかりと受け止めて次に進むことにします。

ひとまずは、せっかくなのでヨーロッパを旅行してきたいと思いますので、そっとしておいてください(とは言いつつ寂しいからインスタで発信しまくると思いますが)。

応援してくれていた方々、ありがとうございました。

切り替えて、またがんばります。

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この記事を書いた人

Vegetarian x Athlete.
Football player in Australia(NPL South Australia).
Interested in Environment issues.

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