菜食主義でもタンパク質は足りるのか?【根拠とおすすめの食材】

アスリートとして最も関心が多いであろうタンパク質。筋肉を作るための栄養素であり、詳しい栄養についての知識がなくても、とにかくタンパク質が大事だと思っているアスリートも多いかと思います。

そして、そのタンパク質の代表的な摂取方法が肉や魚と言った動物性タンパク質です。ボディービルダーや筋トレに励んでいる方がよく鶏むね肉やステーキを食べているのが思い浮かびます。
そんな「筋肉=タンパク質=肉」というイメージがありますが、果たしてヴィーガン食生活でアスリートに必要なタンパク質を摂取することは可能なのでしょうか。

そこで今回はタンパク質についての知識をおさらいしつつ、動物性タンパク質なしで十分なタンパク質を摂取する方法について紹介していきます。

目次

菜食主義でもタンパク質は足りるのか

結論から言うと、菜食主義であろうと全く問題なく必要なタンパク質を摂取することができます。

その理由を理解するためにはまず、タンパク質について知っておく必要があります。
冒頭で説明した通り、アスリートにとってタンパク質が大切なことは周知であると思います。ですが、ここでもう一度、タンパク質について軽くおさらいしておきたいと思います。

タンパク質とは

タンパク質とは1グラム当たり4カロリーで構成されるマクロ栄養素です。

主な役割としては、

・筋肉組織の構築と修復
・必須ホルモンや酵素の製造
・無駄のない筋肉量の維持
・免疫機能の補助

主な機能は成長に関連し、乳児期から成人期、運動後の筋肉の維持と回復に使われます。

タンパク質が不足すると、体の機能が低下します。免疫や必須ホルモン、酵素の製造に関与しているため、食事量の低下にも繋がります。
また筋肉の合成や修復に必要であるため、タンパク質が不足すると筋肉量の低下にも影響します。

アミノ酸

そんなタンパク質を構成しているものが、アミノ酸になります。
アミノ酸は大きく分けて必須アミノ酸非必須アミノ酸に分けられます。
タンパク質を構成しているアミノ酸は20種類です。


11種類のアミノ酸は非必須アミノ酸と呼ばれ、これらは体内で生産することができます。
しかし、残りの9種類のアミノ酸(必須アミノ酸)は体内で生産することが出来ません。
つまり、食事など外部から体内に取り込む必要があります。

ここからがヴィーガンになるために押さえておくべきポイントです。

この体外から摂取が不可欠である9種類の必須アミノ酸は、オート麦やサラダ、豆類といった植物由来の食べ物で全てをカバーすることができます。
つまり、肉や魚といった動物性タンパク質なしでも、体に必要な必須アミノ酸を全て摂取することが出来るということです。

American Journal of Clinical Nutrition に掲載された臨床栄養学の研究によると、人々が十分なタンパク質を食べている限り、それが植物であろうと動物であろうと関係のないことが分かったといわれています。

どのくらいのタンパク質を摂取すればいいのか

一般的な成人


栄養専門家、栄養士、スポーツ科学者の中では一日に1キロ当たり0.8グラムを消費することが推奨されています(0.8g/kg/day)。体重を60kgだとすると、およそ48gのタンパク質が一日で必要ということになります。

これがどのくらいの量かというと、

・調理されたオートミールのワンカップには約6g
・ピーナッツバターおおさじ一杯は4g
・豆乳の1/2カップは4g。

意外と必要な摂取量は多くなく、簡単に必要量を満たせることが分かります。

Netflixにある菜食主義アスリートのドキュメンタリー「The Game Changers」でも、菜食主義である人も動物性タンパク質を摂取している人も、必要なタンパク質摂取量をオーバーしている人が多いと述べていました。

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アスリート

しかし、アスリートは一般人よりも多くのタンパク質が必要であると言われています。

一日体重1キロ当たり1.2~2.0g必要です(1.2-2.0g/kg/day)。体重60kgだとすると、72g-120g一日に摂取する必要があります。

少し多いように見えますが、先に紹介したように植物由来の食べ物にもタンパク質を豊富に含んでいるものが多いです。しっかりとした食事をとれば決して難しいことではないことが分かると思います。

【タンパク質は重要であるが誇張されすぎている】
これまでの説明でタンパク質が重要な栄養素であることが分かったと思います。しかし、その一方である専門家は、世間ではタンパク質の重要性が誇張されすぎていると主張しています。
多くの人がタンパク質を過剰摂取しその結果、糖や脂質も過剰に摂取してしまっています。たとえばスーパーなどで見かける気軽にプロテインを摂取できる栄養ドリンク。いかにも体に良さそうなイメージがありますが、砂糖がたっぷりと使われていたりします。ステーキにはたしかにタンパク質も含まれていますが、脂質の量もすごいです。 この背景には企業の広告とマーケティングが原因であるといっています。
イメージなどに騙されず自分に必要な摂取量を、正しい方法で摂ることが大切ということです。

タンパク質が豊富な植物由来の食材

メイン

・豆腐
・テンペ
・グルテンミート

特に豆腐は100gあたり8gのタンパク質を含み、その他の栄養価も高いため菜食主義種の中ではとても好まれています。

野菜


・ほうれんそう
・じゃがいも
・アスパラガス
・ブロッコリー
・ケール

アスリートやボディビルダーがの多くが食べているブロッコリー。100gあたり3.5gものタンパク質を含んでいるだけでなく、ビタミンCも豊富です。

ナッツ


・ピーナッツ
・ピーナッツバター
・アーモンド
・カシューナッツ
・ピスタチオ
・ひまわりの種

アーモンドはなんと100gあたり18.6gものタンパク質を含みます。脂質も高いため食べ過ぎは注意ですが。

・小豆
・大豆
・レンズ豆
・チックピー

レンズ豆は100gあたり23.2gのタンパク質を含みそのほかにも鉄分や食物繊維も豊富です。調理も簡単でいろんな料理に使えます。
最近の僕のお気に入りです。

穀類

・オーツ
・キヌア

近年、健康的な朝食で注目を集めているオートミール。その調理方法などで栄養価も変わるのですが、100gあたり13.7gのタンパク質を含んでいます。(日本食品標準成分表2020年版(八訂)100g当たり)

【リジンについて】
リジンはカルニチンの生産に重要な役割を果たす必須アミノ酸です。脂肪酸をエネルギーに変換し、コレステロールをさげるのに役立ちます。コラーゲンの生産にも役立ちます。
しかしヴィーガンアスリートに注意が必要なのは、植物には少ししか含まれていないことです。
ある栄養士は「毎日のリジンの必要性を満たす事はタンパク質のそれよりも重要だ。」と言っています。
(Plant based athleteより)
つまり、必要摂取量のリジンを満たせればタンパク質を満たせるといっても過言ではないということを覚えておくといいかもしれません。

まとめ

今回は菜食主義の食事だけでも十分なタンパク質を摂取できるのか紹介していきました。
動物性タンパク質に頼らなくてもアスリートとして必要なタンパク質の量を摂取可能であることが分かったと思います。

アスリートとして大切なことは自分にとって必要な栄養やその量を理解し、そのうえで摂取していくことだと思います。

引き続き勉強していきます。ではまた。

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この記事を書いた人

Vegetarian x Athlete.
Football player in Australia(NPL South Australia).
Interested in Environment issues.

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