【報告】ニュージーランドを制覇しました。

宣言通り、3月6日、Chatham Cup 決勝にてvs Miramer rangers AFC に4-2 で勝利し、ニュージーランドで1位になることが出来ました。

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このChatham Cup とは日本で言う天皇杯、イングランドで言うFA杯にあたるもので国内のチームがカテゴリー関係なしに参加し優勝を争います。ほんとうは昨年に開催されるはずだったこの大会の決勝はコロナの影響によって延期が重ねられ、2022年まで持ち越す形になりました。
この大会の大きな特徴は「チームの最大戦力で戦えることです」。
リーグ戦とは違い
・外国人枠3人まで
・20歳以下の選手をスタメンに2人、サブに2人の起用義務
というニュージーランド特製ルールがないため、チームが持ちうる最高のメンバーで戦うことが出来ます。
つまり、トーナメント形式にはなりますが、「正真正銘のニュージーランド1位」を決める大会というわけです。

対戦相手のMiramer rangers AFC は準々決勝にて2022年のクラブワールドカップに出場予定だったオークランドシティを2-0で下し勝ち上がってきていて、昨シーズンのオークランド地域を除いたナショナルリーグの優勝チームになります。僕らも昨シーズンのナショナルリーグでは1-2で逆転負けを喫し悔しい思いをさせられたチームでした。

こういった歴史ある大きな大会で決勝の相手に申し分のないチームを迎えて戦えるだけにチームのモチベーションはすごく高まっているのを感じていました。これは選手だけでなくサポーターの方々を含めです。

それだけに決勝で4-2の勝利。個人ではMVPまで獲得することが出来てかなり嬉しかったです。お世話になっているチームメイトやサポーターに結果で恩返しできて、かつ皆と喜びを分かち合えることは幸せこの上ありませんでした。

軽くですが試合を振り返ります。

前半は完全に僕らが試合を圧倒することが出来ました。特に守→攻への切り替えが相手を上回り数多くのチャンスを作り出しました。欲を言えばあの展開であれば3点ほど取って前半でゲームを決めたかったのですが、少なからずPKにて1点のリードを奪うことが出来たので良かったと思います。

後半は相手チームに実力と意地をみせつけられる展開となりました。後半開始から圧をかけられ続け苦しい展開が続きましたが、相手のミスを誘い3点のリードを奪うも、85分に3-2まで追い上げられました。
正直この時は、かなりやばいと思ったしこれからの5分がとてつもなく長くなることを感じていました。

しかし、89分に試合を決定づける4点目を取ることができ、4-2にて勝利。無事に優勝することが出来ました。

試合のターニングポイントだったのは個人的は2つ。

まずは試合を見てもらえた方には分かるかもしれませんがこの日は風がとても強かったです。前半は向かい風、後半は追い風の中ゲームを進める展開でした。まずは向かい風の中試合を圧倒しリードして前半を追い返せたこと。その理由としては相手ディフェンスラインの背後へのランニングとパスの供給を続けたことだと思います。3バックの相手の両脇を幾度となく利用することで、相手を苦しめ続けることが出来ました。

2つ目は試合中での対応力です。
「試合中に相手の嫌なところや弱点を見つけ出し、そこを突く。」シンプルですが意外と難しいことです。ですが僕が常に考えていることでもあります。加えて、僕らのチームには30歳超えの選手が数人、それ以外も比較的経験の多い選手が揃っています。経験を活かし、試合中に相手の弱点を突くことが出来たのが間違いなく優勝を手繰り寄せました。

なにが相手の弱点だと気付き変化させたのかというと、1つは相手キーパーに対して。相手キーパーは去年とは変わっていて情報がありませんでしたが前半のプレーを見るに、足元の技術やビルドアップが苦手に見えました。そこからキーパーへのバックパスへは積極的にプレスをかけ続けました。その結果、キーパーからミスを誘い込み、2点目を奪うことが出来ました。そして、このミスが相手キーパーのメンタルを追い込み、3点目のミスを誘発したとも考えられます。

もうひとつは相手のビルドアップへの対応です。通常、サッカーにおいては中央への縦パスは危険なためサイドに追い込むようにディフェンスをします。しかし、この日は風が強かったこと、僕のチームのMFが相手MFより球際の強さで上回っていたこともあり、縦パスを誘発した方がいいのではないかと感じていました。同じことをフォワードの10番も感じていたのか、試合の後半からは僕と10番が「あえて中央に誘い込むようなプレスや立ち方をしていること」に気付けると思います。
それでも多くのチャンスを作られましたが、流れの中からの失点はありませんでしたし、いい形で奪ってカウンターをする機会が多くできたことが4点も取れたことに繋がったと思っています。

以上が試合の振り返りです。

ニュージーランドにきてからこれまで

Starting XI

試合前の投稿でも述べましたが、僕は20年以上サッカーを続けてきて一度もタイトルを取ったことがありませんでした。高校では選手権のメンバーにすら入ることが出来ず、大学では中心となってプレーした大学4年でリーグ最下位となり降格さえ経験しました。そんな僕がいつからニュージーランドで1位になることを目標とするようになったのか。少し振り返ってみたいと思います。

2019年12月 ニュージーランドへ到着

「ニュージーランドを制覇する」そんな立派なことを意気込んで、僕のこの国でのサッカーはスタートしませんでした。ニュージーランドのサッカー事情について何も知らなかった僕はとにかく「レベルの高い環境でサッカーが出来たらいいな。」そのくらいにしか考えていませんでした。
ただ、何も知らないからこそ必死で準備をし、一人でひたすらコンディションを上げてチームへの参加を掴み取りました。それが功を奏したのか、1シーズン目の地域リーグではチームの優勝に貢献することができ、リーグ最優秀選手にも選ばれることが出来ました。それでもこの頃の目標はニュージーランドで1位になることではありませんでした。自分にはまだまだ高すぎる目標だと思ったし、とにかくその頃はナショナルリーグのチームに選ばれることだけが目標でした。

2021年1月 ナショナルリーグ後期

無事にナショナルリーグのチームに選ばれた僕は、まずスタメンを勝ち取ることが目標でした。
レベルも高かったし、外国人枠という戦いもある中でスタメンを争わなければなりませんでした。そして、開幕戦ではベンチスタート。この時の悔しさは今でも鮮明に覚えています。ですが開幕戦で大敗を喫したチームはメンバーを入れ替え、そのタイミングでスタメンに選ばれました。このチャンスを掴み取り、それ以降の試合では全試合スタメンフル出場を果たすことが出来ました。そして後期が始まるころ、チームがチャンピオンシップ出場権の4位以内に手が届きそうになり、ここで初めて「4位以内に入り、そこから優勝する」という思いが芽生え始めました。
ですが結果は残念ながら5位。最終節まで可能性を残すも、惜しくも4位以内に入ることができませんでした。

2021年3月 新シーズン開幕

ニュージーランド最高峰のリーグ「ナショナルリーグ」を経験し、自信をつけ始めた僕はこのシーズン始まりに、「ニュージーランドで1位になること」を目指し、もう1シーズンニュージーランドでプレーすることを決意しました。その結果昨シーズンは34試合出場20ゴールという結果を残すことが出来ました。攻撃的なMFとはいえ、ここまでの得点を記録できたことは我ながら悪くないと思っています。

チームとしても
・地域リーグ優勝
・南島リーグ優勝
・ナショナルリーグ3位(惜しくも)
・地域カップ優勝
・国内カップ決勝進出

と、安定した結果を残すことが出来ました。

そこから約1年。

Champion

目標としていた「ニュージーランド制覇」を成し遂げることが出来ました。
右も左も分からないままこの土地に来て、たまたまこのチームに入れた運。英語も分からない、お金もない僕を常々サポートしてくれたチームメイトには感謝しかありません。
1年前のこの頃、僕はビザの関係で働くことが出来ずに、貯金をきりくずしながら生活しサッカーに励んだ日々も今思えば無駄じゃなかったのかもしれません。お金が減っていく一方の生活は精神的にほんとうに苦しかったけど、あれもすべてこの瞬間の為だったのかもしれません。

とにかく長いサッカー人生、1つでも誇れるタイトルを獲得することが出来て良かったです。なにより、こんな僕を応援してくれている両親に少しは良いところを見せることが出来てほんとうにうれしいです。

今後の事は、分かりませんが近々ニュージーランドを離れて新たな地でサッカーを出来たらと考えています。
引き続き、しぶとく生きてやろうと思います。

in changing room
おまけでMVP

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この記事を書いた人

Vegetarian x Athlete.
Football player in Australia(NPL South Australia).
Interested in Environment issues.

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