体が資本のアスリートにとって、筋肉=タンパク質。タンパク質=肉or魚。
こんな固定概念は必ずあると思います。
それと同時に、ベジタリアンやヴィーガンでアスリートに必要な筋肉や体は作れるのか。
こんな不安があると思います。
僕も以前は、トレーニング後にはコンビニでサラダチキンを買って食べていたし、試合後にはなるべく肉を摂取しなくてはならないと思っていました。
ですが今では肉なしの食生活ですが体重(筋肉量)を落とさず、サッカープレイヤーとして怪我なく活動できています。
今回は
ほんとうにアスリートでもベジタリアンやヴィーガンの食生活で大丈夫なのか
という疑問をクリアにすべく、「ヴィーガン/ベジタリアンのアスリート(きっかけと感想)」についてまとめてみました。
これを読めば、どんなスポーツにおいてもベジタリアンやヴィーガンは可能であること。
そして彼らがベジタリアンやヴィーガンになってどう感じているかが分かるようになると思います。
今回参考にしている情報は海外の英語のサイトから参考にしているので情報も多いし、日本語ではなかなかないものも多いのでぜひ見てみてください。
ベジタリアン/ヴィーガンのアスリートたち
クリス・スモーリング/Chris Smalling
まず一人目はサッカー選手ということで個人的に注目をしているクリス・スモーリング選手です。
10年近くマンチェスター・ユナイテッドでプレーをし、現在はASローマでプレーしているトップレベルのサッカー選手です。
完全菜食主義者のヴィーガンのようです。
彼はもともと腱鞘炎によりプレーに問題を抱え始めたことから赤肉を断つことからはじめ、ベジタリアン、そしてヴィーガンへと移行していったみたいです。
“Red meat causes a lot of [inflammation] and when I was cutting that down, the tendinitis started to go,” 「赤身の肉は多くの炎症を引き起こすので、それを減らしていたら、腱鞘炎が治まり始めたんだ」
https://www.livekindly.co/manchester-united-chris-smalling-vegan/
“I had quite a few symptoms, but since I went fully vegan I don’t feel it at all anymore,” 「かなり多くの症状があったのですが、完全菜食主義者になってから、まったく感じなくなりました」
https://www.livekindly.co/manchester-united-chris-smalling-vegan/
とスカイスポーツへのインタビューで回答をしており、ヴィーガンになってから体の調子・パフォーマンスが向上していると述べています。
ちなみに彼は、倫理の面からもヴィーガンを支持しており、
・動物皮革のスパイクを使わない
・プラントベースの食品会社への投資
など積極的にサステナビリティの活動にも取り組んでいることで有名です。
セリーナ・ウィリアムズ
セリーナ・ウィリアムズは、グランドスラムのシングルスで23のタイトルを獲得し、スポンサーや賞金を積み上げ、世界で最も稼いだアスリートの1人です。
世界的なアスリートの彼女ですがテニス界のレジェンド、ビーナス・ウィリアムズに影響されヴィーガンの食生活を始めるようになったようです。
セリーナ・ウィリアムズ、ビーナス・ウィリアムズともにヴィーガンの食生活はテニスのパフォーマンスに好影響を与えているように感じてるみたいです。
ですがユニークなのは彼女は、オフシーズンには菜食ではないものを食したり、時には肉や魚などを食べ、メンタル面のリラックスも心がけているようです。
ぼく個人的にも、「絶対に動物食品は食べるな」などという厳しいルールを自分に課すのではなく、ストレスのない範囲で自分なりに取り組む方法に賛成です。
ノバク・ジョコビッチ
テニス界の偉大な選手の一人ノバク・ジョコビッチ。
グルテンフリーの食生活で知られる彼は肉や魚も摂取しないヴィーガンでもあるようです。
ですが、彼はヴィーガンと呼ばれることに対しては好ましくないみたいです。
きっと、自分の体に良いものを摂取してる結果がヴィーガンなだけで、ヴィーガンであることにこだわってはいないのだと思います。
彼の本は読んだことがあるのですが、きっかけは試合中に突然体が動かなくなることだったそうです。それから、試行錯誤を重ねた結果、自身がグルテン不耐症であることに気づきグルテンフリーの食事に切り替えていったみたいです。
カール・ルイス
オリンピック陸上競技で3大会連続金メダルを獲得したレジェンドです。
Netflixにあるヴィーガンアスリートドキュメンタリー「ゲームチェンジャー」にも取り上げられている彼は、食事内容をベジタリアンに替えた後、30代でありながら自己ベストを更新したことで有名です。
1980年代はいまほどヴィーガンの食事法も流行っていなかったでしょうし、そんな中でトライした彼はヴィーガンアスリートの先駆者かもしれません。
TJペレナラ
強靭なフィジカルとパワーを必要とするラグビーにおいても、ヴィーガンの選手を発見しました。
ニュージーランド、オールブラックスでプレーするTJペレナラ選手です。
彼は「ヴィーガンの食生活を始めてから、かつてないほど体調が良くなった」と言っています。
国際的なラグビー選手である30歳は、2019年にベジタリアンの食事から移行した後、現在は献身的なヴィーガンである。サステナビリティに情熱を注ぎ、地球を助けるために自分の役割を果たすこの選手は、キウイの植物性タンパク質ブランド、プラン*tの新しいアンバサダーに任命されました。彼はまた、plan*tの親会社であるSustainable Foodsに投資しており、現在、地元での事業拡大と今年後半の輸出の準備のために資金調達中です。
https://www.newshub.co.nz/home/lifestyle/2022/03/all-black-tj-perenara-on-his-vegan-journey-and-investment-in-a-new-zealand-plant-based-enterprise.html
彼もまた食生活に限らず、サステナビリティに関心を持ち積極的に投資や活動を行うアスリートの一人です。
僕も植物性のハンバーガーやベーコンは時々食べるのですが、思っていた以上にクオリティが高いし、今後もっと進化してくれればありがたいので応援しています。
スコット・ジュレク
これらの本で有名なウルトラランナー、スコット・ジュレクも完全菜食主義者のヴィーガンです。
僕自身も、彼の本は読んだことがありヴィーガンについて影響を受けたアスリートの一人です。
1999年からスコット・ジュレクの食生活は、一般的なウルトラランナーからヴィーガンに変わりました。
それ以来、彼の成績はウルトラランニング界のスターダムにのし上がりました。アメリカの24時間走の新記録を樹立し、過酷なバッドウォーターレースで2度の優勝を果たしました。
そしてさらに、100マイルのWestern States Endurance Runで7回の優勝を果たすなど、すべて動物性食品を使わない食事で達成しました。
ヴィーガン食に徐々に移行することで、様々な距離のレースでより安定したパフォーマンスを発揮することができるようになりました。多くの人がウルトラランニングは体にダメージを与えると考える中、Jurekはビーガン食のおかげで回復が良くなったと述べています。
https://sportcoaching.co.nz/scott-jurek-diet/#:~:text=Even%20though%20many%20people%20think,following%20a%20vegan%20nutrition%20plan.
ネイト・ディアス
彼もドキュメンタリー映画「ゲームチェンジャー」にて取り上げられていたMMA(総合格闘技)選手、ネイト・ディアスですがヴィーガンで知られています。
ドキュメンタリーの中ではコナーマクレガーを相手にスタミナ勝ちをしたことで紹介されていますが、それはヴィーガンの食生活によるものだと言っています。
ディアスは自身のツイッターのQ&Aで、過去に肉に戻そうと試みたが、体の反応が良くなかったことを明かした。
https://www.sportskeeda.com/mma/4-current-ufc-fighters-vegan#:~:text=%231%20Nate%20Diaz&text=Similar%20to%20his%20elder%20brother,exclusively%20vegan%20during%20fight%20camp.&text=In%20a%20Q%26A%20on%20his,not%20react%20well%20to%20it.
番外編
これまでヴィーガンやベジタリアンになってパフォーマンスがアップしたというアスリートばかりを紹介してきましたが、いろいろ調べているうちに面白いのを発見したので紹介しておきます。
それはヴィーガンやベジタリアンに挑戦したけど合わずに肉食の生活に戻したというアスリートです。
マイク・タイソン
マイク・タイソンは2010年に動物性食品を食べることをやめヴィーガンやベジタリアンの食生活に切り替えました。
きっかけは、2005年の引退後、体重の問題と、ステーキ、アルコール、ドラッグの食生活に起因する問題に対処するため、2010年に植物由来の食事を始めたみたいです。
2019年の『GQ Sports』のインタビューでは、「僕は母親と父親がいるものは食べない」と述べていたほどでした。
しかし、近年彼はボクシングに戻るためにトレーニングを再開した際、ヘラジカとバイソンを食べ始めたことを明かしました。
彼は
「トレーニングのため、そして自分の体をどのように見せたいか、自分が持ちたい強さのためにやめたんだ。」
「エルクとバイソン、つまり野生のものしか食べないんだ。」
などと述べ、食べ物がなんのためにあるか深く考慮した上で体のために野生動物を食しているみたいです。
また、菜食主義を非難するわけではないが、ケールのような野菜を食べることは、自分の血液型や健康状態に合わないのだとも述べています。
“ケールや野菜、ブルーベリーなど、他の人にとっては良いものでも、私にとっては本当に毒だと気づいたんだ。”
https://www.totallyveganbuzz.com/news/mike-tyson-ditches-veganism/
まとめ
今回は、ヴィーガンやベジタリアンの食生活で活躍しているアスリートについてまとめてみました。
今回、取り上げさせてもらったのはほんとうに一部で他にもたくさんのアスリートが菜食主義で活躍しています。
それでも今回ぼくが調べてて学んだことは
・どんなスポーツにおいてもベジタリアンやヴィーガンは可能であるし、パフォーマンスアップにも繋がっている
・いきなりヴィーガンになるのではなく、まずはベジタリアンなど段階的に進めてるアスリートが多い
・人によっては菜食が合わないことも、もちろんあり得る
特に、いきなり完全に菜食に切り替えるのはむしろ体に負担がかかるという話をどこかで聞いたことがあったし、自分自身もいきなりヴィーガンになるのはアスリートとしてハードルが高いと感じています。
自分にどんな食材が合うか、合わないかも含めて自分のペースでストレスのないように取り組むことが大切なことを学びました。
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