アスリートにとって「魚」はGOOD or BAD?
健康的な食べ物のイメージがある魚ですが、アスリートにとって魚はどんな影響を及ぼすのでしょうか。
僕自身、ベジタリアンの食生活をしているので魚を食べていません。
ですが、「なぜ魚を食べないか」と言われるとアスリートとしての明確な答えが見つかりませんでした。
というのも、赤肉や加工肉は炎症を誘発しアスリートの回復を阻害することはよく言われています。
しかし、魚については僕は不透明なままでした。
そこで今回は魚がアスリートにとって良いのか、悪いのか調べてまとめてみました。
僕の結論としては、「アスリートにとっては魚は良い。だがしかし、人の健康の面からは将来的に有害である」
この結論に至った理由をこの記事で解説していきます。
調べていて知らないことや面白いことがたくさんあったので、ぜひ見てみてください。
今日の写真は魚にちなんで、ニュージーランドの水辺特集でいきます。
魚はアスリートにとって悪い?
答えはNOのようです。
いろいろ調べてみたのですが、いまのところアスリートにとって魚が悪いという情報は見つかりませんでした。
アスリート×ベジタリアンやヴィーガンで、ポイントとなってくるのはタンパク質と炎症です。
特に炎症についてはリカバリーに関わってくる重要な要素です。
赤身や加工肉は炎症を誘発するので、アスリートにとって悪い食べ物として知られる大きな理由でもあります。なので、炎症について詳しく調べてみました。
しかし、魚が炎症に悪い影響を与えるという研究結果は見つからなかったので、炎症についても悪い影響はなさそうです。
詳しくは次で解説します。
アスリートにとって魚の良いところ
健康に良いイメージがあるだけに、魚の良いところはたくさんあるみたいです。
タンパク質
魚はタンパク質を豊富に含んでいます。
アミノ酸スコアも100という質の高いタンパク質です。魚の種類によって微妙に異なってきますが、
・鮭、しろさけ(エネルギー133kcal・タンパク質22.3g・脂質4.1g)
・鯛、まだい(エネルギー142kcal・タンパク質20.6g・脂質5.8g)
・鯵、あじ(エネルギー126kcal・タンパク質19.7g・脂質4.5g)
と、アスリートにとって大切なタンパク質を豊富に含んでいます。
オメガ3系脂肪酸
魚はEPAやDHAといったオメガ3系脂肪酸を多く含んでいます。
これらの成分が多く含まれていることはサプリメントなどで目にしているので知っている人も多いと思います。
じゃあ、オメガ3系脂肪酸はなにが良いのか
というと、どうやら抗炎症作用に効果があるみたいです。
EPAとDHAは、メタボリックシンドローム、心臓病、糖尿病、腎臓病につながる可能性がある炎症を抑えるのに役立ちます。
https://www.healthline.com/nutrition/13-anti-inflammatory-foods#TOC_TITLE_HDR_3
体内でこれらの脂肪酸はレゾルビンやプロテクチンと呼ばれる化合物に代謝され、抗炎症作用があります。
サーモンやEPA、DHAのサプリメントを摂取した人は、炎症マーカーのC反応性タンパク質(CRP)が減少したことが研究で明らかにされています。
このようにオメガ3脂肪酸が炎症を抑えるのに役立つことが分かります。
ということはアスリートのリカバリーを早める助けになるということになります。
僕も知りませんでした。
※炎症については僕も勉強不足で、上記にあるような心臓病などの炎症と、運動をしたあとに発生する筋肉の炎症が同じシステムなのかは分かりません。
以下のような脂肪分の多い魚が最も優れた摂取源となるみたいです。
・サーモン
・イワシ
・ニシン
・サバ
・カタクチイワシ
他にも魚の良いところはあるみたいですが、今回はアスリートの観点に絞っているのでこの辺にしておきます。
魚の悪いところ
ではなぜ、ベジタリアンやヴィーガンは魚も食べないのでしょうか。
その理由は、健康と環境に悪いからです。
健康面
水銀
魚には水銀が含まれており、脳、心臓、腎臓、肺、免疫系に害を及ぼす可能性があるみたいです。
小型の魚やサケ、タラ、エビ、マスなどの魚介類は、タイラギ、メカジキ、サバ、マグロなどの悪名高い魚に比べて水銀含有量が少ないにもかかわらず、多くの医療専門家が食べないよう勧告するほど高濃度の水銀を含んでいるのです。
Netflixにあるドキュメンタリー「Seaspiracy」においても水銀がヒトの体にとって有害であることが取り上げられています。
マイクロプラスチック
また、湖や海で劣化したプラスチックの残骸であるマイクロプラスチックも問題になっています。
このマイクロプラスチックは、プランクトンを食べる小さな魚が食べ、その魚を食物連鎖の上位の魚が食べ、さらに人間が食べます。
マイクロプラスチックがなぜ人間の体に悪いのかというところは、まだハッキリと解明はされていないみたいです。
しかし、マイクロプラスチックが蓄積することによって人体の環境ホルモンに影響を与えるのではないかと懸念されています。
環境ホルモンとは環境ホルモンとは、本来ヒトのホルモンと構造の一部が似たかたちをもつ化学物質です。ホルモンによる信号を受け取る器官である『受容体』にあたかもホルモンのように結合します。ホルモンのバランスを崩し、からだの健康を保つ働きを邪魔して生殖機能・甲状腺機能・脳神経などに重大な影響を及ぼします。内分泌系に作用するため『内分泌かく乱物質』とも呼ばれています。
https://waterstand.jp/waterlife/water
女性であれば、乳がんや子宮内膜症の増加、男性は生殖機能の低下、胎児は発育異常や知能への影響が考えられるみたいです。
環境面
こちらに関しては「Seaspiracy」を見ていただくのが一番早いかもしれません。
ですが軽く触れておきますと、水産業が環境に与えている影響はかなり大きいみたいです。
例えば、先ほどのマイクロプラスチックにも繋がってくる海洋プラスチック問題。
なんと海洋プラスチックの70%が漁具によるものみたいです。また、漁業によって大型魚の90%を既に絶滅させてしまったともいわれています。
これにより、海洋の生物多様性は急激に失われ、今も減少が進んでいます。
なぜこれほどまでに過激な漁業が行われているかというと、結局需要があるからです。私達が手軽に魚を食べられるようにするために過剰な漁業がビジネスとして行われ、環境破壊に繋がりました。
このように環境面において水産業が与えている影響はかなり大きいみたいです。
プラントベースで魚の代わりを補うことは出来る?
僕の意見はYESです。
理由は植物性の食べ物からも、魚に豊富に含まれているオメガ3脂肪酸とタンパク質を摂取することは可能だからです。
A common belief is that fish are the best sourceof these essential omega-3 fatty acids,but people don’t realize that fish don’t make omega-3 fatty acids.It’s the algae cells that are making the omega-3 fats,and the fish swallow the algae cells.
「Seaspiracy」より
先ほど紹介した「Seaspiracy」にてミカエル・クレイパー先生(医者)はこう述べています。
オメガ3脂肪酸は魚から摂取出来ると思いがちだが、実際には藻類の細胞が生成していて、それを食べた魚がオメガ3脂肪酸を含んでいるといっています。
つまり、藻類からオメガ3脂肪酸は摂取できるということです。
また海洋生物学者のドミニク・バーンズさんも
So why not just eat the algae that has those great benefits we’re looking for?
「Seaspiracy」より
Why even mess with the middleman,and just eat the direct source.
と述べており、藻類から直接摂取することを推奨しています。そうすることで、水銀などといった魚に含まれる汚染物質を摂取することなく、オメガ3脂肪酸を摂取することができます。
他にも
・くるみ
・ヘンプシード
・チアシード
などからオメガ3脂肪酸は摂取することができます。
そうすることで魚に頼らなくても私達の体に重要なオメガ3脂肪酸を摂取することができます。
次にタンパク質です。
こちらに関してはヴィーガンやベジタリアンのアスリートが証明しているように植物性の代替品で補うことができます。
まとめ
以上のことを踏まえて結論を言うと、
「魚はアスリートにとって良い食べ物であるが、将来的には健康的な食べ物ではないのかもしれません」
短期的な目線ではGOODな食べ物ですが、長期的な目線ではBADな食べ物と言えるようです。
自分の体に合うか合わないかも大切ですし、落とし所としてはアスリートとして脂質やタンパク質が足りていないのであれば魚から摂取するのがお手頃なのではと思います。
たしかにヴィーガンやベジタリアンの食生活でも魚に含まれている栄養を補うことは可能です。
可能ですが、ハードなのは正直です。
「どんな食材から摂取できて」、「どれくらい摂取する必要があるのか」など多くの知識を要します。
それに比べると、サクッと魚を食べてしまったほうがタンパク質や脂質を手軽に摂取できるであろうというのが僕の見解です。
ですが、この記事でも述べたように魚には有害な物質も含まれています。
競技にもよりますがアスリートの寿命は30−40歳あたりで人生と比較して長くありません。
アスリートを終えた人生でも病気にかからず健康に過ごしたい、そのためにリスクを下げておきたいというのであれば魚は控えたほうが良さそうです。
それに、環境的な問題もかなり深刻みたいですので僕は今はベジタリアンとして魚を摂取しない方向でいきたいと思います。
魚も美味しいし大好きな食べ物であるのでいつかはまた必ず食べたいと思いますが、健康と環境には常に配慮していきたいと思っています。
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