アスリートにとって「卵」はGOOD or BAD?

ベジタリアンアスリートとして、

アスリートに「卵」は必要か否か調べてみた

アスリートとして卵がタンパク質やその他の栄養を豊富に含んでいることは周知の事実だと思います。
しかし、卵を摂取しないヴィーガンのアスリートが、菜食になってからパフォーマンスを上げたという声も多くあります。

ベジタリアンアスリートである僕の立場としては「卵は摂取しないほうが良いのか」という疑問がずっとありました。

そこで今回は「卵が健康に及ぼす研究をアスリート目線で紹介」していきます。

アスリート目線というのは、炎症に注目するということです。
アスリートにとってタンパク質のメリットを打ち消すようなデメリットは炎症になってくると思います。

そこで今回の研究は「卵  炎症」(もちろん英語で調べています)について多く紹介します。

環境や倫理的に卵の摂取を控える訴えが多いこの世の中、健康に特化して卵に取り上げている記事はそう多くありません。特に日本語では皆無です。
だからこそ、卵が健康に及ぼす影響をまとめた記事は価値があるし、結果も意外だったのでぜひ見てください。

魚バージョンはこちらです。

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目次

卵が健康に良いという研究

ファームに住んでた頃、彼らの餌やりと卵の回収が僕の仕事でした。

卵は健康に万能

卵は栄養価が高く、健康上のメリットも大きいと言われています。
例えば、目の健康を増進し、心臓病のリスクを低減するなどです。他にも卵が豊富なタンパク質を含んでいることはアスリートにとっては周知のことだと思います。

ヘルスラインによって取り上げられている研究には以下のようなものがありました。

卵には、タンパク質、ビタミンD、コリン、オメガ3脂肪酸、タンパク質、抗酸化物質など、多くの栄養素が含まれています(15Trusted Source)。

https://www.healthline.com/nutrition/eggs-and-rheumatoid-arthritis#health-benefits-of-eggs

卵には、脳の健康に重要な役割を果たす栄養素、コリンも含まれており、加齢に伴う記憶力の低下を防ぐのに役立つと考えられています(18Trusted Source)。

https://www.healthline.com/nutrition/eggs-and-rheumatoid-arthritis#health-benefits-of-eggs

目の健康増進

卵には強力な抗酸化物質であるルテインとゼアキサン チンが含まれています。

ルテインとゼアキサンチンは強力な抗酸化物質で、目の一番奥にある網膜に集中して存在しています(19Trusted Source)。これらの抗酸化物質は、網膜に影響を与え、視界がぼやけたり視力が低下したりする加齢黄斑変性症の進行を遅らせることが示されているため、しばしば黄斑色素と呼ばれます(19Trusted Source, 20Trusted Source)。さらに、ルテインとゼアキサンチンは、糖尿病性網膜症や白内障などの他の目の状態を防ぐと推測されています(19Trustedソース、20Trustedソース)。

https://www.healthline.com/nutrition/eggs-and-rheumatoid-arthritis#health-benefits-of-eggs

体重管理をサポートする可能性

卵を定期的に食べることは、体重管理をサポートする可能性があります。

体重管理は、関節炎の症状を管理するためのCDCの推奨事項の1つです(1Trusted Source)。1個あたり70キロカロリーしかないにもかかわらず、卵は食べ応えがあります。これは、全粒粉や野菜などのヘルシーな繊維源と一緒に食べると特に満腹感が得られることが示されている多量栄養素であるタンパク質が含まれているためです(15Trusted Source, 21Trusted Source, 22Trusted Source)。

https://www.healthline.com/nutrition/eggs-and-rheumatoid-arthritis#health-benefits-of-eggs

卵が炎症に悪影響を与えない

卵が炎症に対して有害な影響を示す証拠がないことを示す研究がありました。

卵はタンパク質を豊富に含んでいるため、アスリートにとっては重要な食材です。
しかし、アスリートとして摂取するか否かを判断する材料としては、炎症だと僕は考えています。
いくらタンパク質が多かろうが、炎症を引き起こし怪我を誘発するのであれば摂取を控えたいところです。

そんな疑問を晴らすべく長々しい英語の研究を読んだところ面白いものが見つかりました。ほんとうに長いので結論だけ引用します。

全体として、本研究は、成人における卵の摂取が炎症に対して有害または保護的な効果を示す証拠はないことを示した。しかし、サンプルサイズと臨床試験の数が限られているため、これらの結果の解釈には注意が必要である。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7189602/
プラントベースのケバブ。今日食べました。

この研究の他にも以下のサイトでは、卵に含まれる栄養分が抗炎症作用を持つことを述べていました。

MedicineNet
Are Eggs Anti-Inflammatory? Inflammation is the body’s natural defense mechanism to any foreign substance that it considers harmful. An anti-inflammtory diet is a diet that can reduce infl...

様々な機能性食品、栄養素、重要な成分が、体内の炎症反応を修正することが示されています。卵のような機能性食品には、卵タンパク質、リン脂質、ルテイン、ゼアキサンチンなど、炎症を抑制する様々な必須栄養素や重要な成分が含まれています。

https://www.medicinenet.com/are_eggs_anti-inflammatory/article.htm

特に卵に含まれるビタミンDは関節リウマチの炎症反応を調節する効果があるようです。

卵が健康に悪いと言われる研究

ご飯のときの躍動感半端ない。

卵が炎症に悪影響を及ぼす可能性

「卵が炎症に影響を与えない」という研究を紹介して3秒後、次は卵が炎症に悪影響を与えている可能性があるという研究を紹介します。

卵黄に含まれるアラキドン酸は、体内の炎症の原因となる可能性があります。しかし、食事から卵を除去することで関節炎の発症を防いだり、その症状を改善したりすることを示す証拠は今のところありません(9Trusted Source)。

https://www.healthline.com/nutrition/eggs-and-rheumatoid-arthritis#health-benefits-of-eggs

あくまで可能性があるというだけで、卵を抜くことによる改善を示す証拠はまだないみたいです。
それどころか卵には抗炎症作用が期待できる化合物が含まれていることをこのサイトでも取り上げられています。

一見矛盾するような研究結果が多い理由は、卵の豊富な栄養分によるものだと僕は考えています。豊富な栄養を有するが故に、どうやら卵には抗炎症作用と促進作用の両方を持つために賛否両論あるみたいです。

ヴィーガン食が関節炎の症状を減らす

卵を使用しないヴィーガン食が関節炎の症状を改善することが分かっているみたいです。
つまりヴィーガン食が炎症を減らしているということになります。

ただし注意が必要なのは、卵を排除したことが炎症を軽減した直接の原因ではないということです。あくまで卵を摂取しないヴィーガン食が関節炎の症状を軽減するということです。

あるレビューでは、卵を使用しないビーガン食が、関節炎の症状を改善することがわかりました。ヴィーガン食には卵が含まれていませんが、その他の食事には含まれている可能性があります。したがって、この研究は、関節炎の症状に対する卵の効果に関しては、決定的ではありません(14Trusted Source)。

https://www.healthline.com/nutrition/eggs-and-rheumatoid-arthritis#health-benefits-of-eggs

がんや心臓血管系疾患のリスクが高まる

最後はアスリートに限らず、一般的な健康全体に向けて考えていきます。
ヴィーガン食を推奨しているグレガー博士のウェブサイトNutritionfactsでは、卵がさまざまな健康リスクを高める研究を紹介しています。

専門家の中には、1日1個の卵でも、心臓血管系疾患のリスクという観点から、コレステロールの摂取量の安全上限を超える可能性があると指摘する人もいます。エッグマックマフィン2個分以上のコレステロールを毎日摂取している人は、入院または死亡のリスクが2倍になるようです。

https://nutritionfacts.org/topics/eggs/

卵をほとんど食べない男性に比べ、1日1個以下でも、前立腺がんの進行リスクが2倍になるようです。また、1週間に2個半以上、つまり3日に1個卵を食べる男性は、前立腺がんで死亡するリスクが81%増加する可能性があります。

https://nutritionfacts.org/topics/eggs/

卵がこれほどまでにガンのリスクに影響する理由として考えられているのは、卵に濃縮されている化合物コチンによるものだと考えられているようです。

卵に含まれるコリンは、赤身の肉に含まれるカルニチンと同様に、肉食の人の腸内に存在するバクテリアによってトリメチルアミンという毒素に変換されるのである。トリメチルアミンは肝臓で酸化されると、心臓発作や脳卒中、早死にのリスクを高めるようです。

https://nutritionfacts.org/topics/eggs/

感想:摂取するかしないかは「何を優先するか」次第だと思う

お気に入りのボタニックガーデン。

僕がベジタリアンアスリートとして卵を摂取すべきか、そうでないかという目線で卵について調べてみました。
その結果、炎症については好影響と悪影響を及ぼす両方の研究結果があるという出口のない答えにたどり着きました。

しかし、どのウェブサイトでも言われていましたが、まだまだデータを集め研究を重ねる必要があるとのことでした。

なので僕が一つ結論を出すのであれば「卵を摂取するか否かは何を優先するか次第」だと思います。

タンパク質やその他豊富な栄養をいま摂取する必要がある
→卵を摂取する

or

将来の健康を心配しガンなどのリスクを下げておきたい
→卵を摂取しない

こんな感じで判断するのが良いのではと思いました。

僕はアスリートとしてまだまだ筋肉量を増やしてフィジカルも強化したいし、ベジタリアンということもあってタンパク質の摂取源として卵は重宝しています。
なので今後も卵の摂取は続けていこうと思いました

将来の健康も心配ですし、タンパク質の過剰摂取は内蔵への負担が大きいということは自分でも感じています。
しかし、「今は」アスリートとしてタンパク質が重要だし、自分の身を削ってこそのアスリートみたいなところもあるので、ひとまずは摂取を続けていこうと思います。

しかし、卵の大量需要による倫理的に正しいとは言えない生産過程があるということも見たことがありますし、環境の面から見てもいつかはやめていければいいなと思います。

せめてもの努力で多少は値段は上がりますが、フリーレンジ(放し飼いで育てられたニワトリ)の卵を選ぶという選択に着地したいと思います。

ちなみに栄養的にもフリーレンジが高いのでオススメしておきます。

こういうやつ。
パックは専用のリサイクルのために貯めてます。

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この記事を書いた人

Vegetarian x Athlete.
Football player in Australia(NPL South Australia).
Interested in Environment issues.

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