アスリートこそ脂質にこだわるべきかもしれない。
先日、魚について調べていた時に脂質に炎症を抑える働きがあることを知り驚きました。
ときを同じくしてたまたまYou Tubeにて油についての動画を見たことで、脂質は良い油であればエネルギー源に適しているという話を聞き、興味を持ちました。
というのも、僕がアスリートとしてベジタリアンの食生活を行う上で「炎症」というのは大きなキーワードですし、最近はなにかと集中力が低下していると頭を悩ませていました。
そんな時に飛び込んできたのが脂質という栄養素です。
よく考えてみれば、僕は脂質についてよく理解をしていませんでした。
どんな種類があって、何が良い油なのか。そしてベジタリアンである僕は魚などから摂れない分の油をなにから摂取すべきなのか。
こんなことが分からなかったので今回は「ベジタリアンやヴィーガンのための脂質」について調べてまとめてみました。
オメガ3系脂肪酸
トランス脂肪酸
EPA
DHA
これらのワードはみなさんもどこかで聞いたことがあると思います。ですが、それぞれについてしっかり整理できていますでしょうか。
僕もこんがらがっていたので、これらのワードも整理してみたのでベジタリアンやヴィーガンでない人も健康になって日々の生活を充実して送るヒントになると思いますのでぜひ。
なぜベジタリアンアスリートにとって脂質が大切なのか
まず脂質は人間の体にとって必要不可欠の栄養素です。脂質と聞くと悪いイメージがありがちですが、まずはそこから考え直す必要がありそうです。
脂質の主な働きとしては、臓器を保護し、栄養の吸収を助け、重要なホルモンを生成し、細胞の成長をサポートし、体にエネルギーを供給しています。
体に脂質が必要だということが分かったので次にアスリートと脂質の観点で考えていきます。
脂質はエネルギー源としてとても効率が良い
「エネルギー=炭水化物」だと思っていたのですが、どうやらそうではないみたいです。
実は脂質はとても効率の良いエネルギー源になるということです。
特に長時間の運動やトレーニングの後、炭水化物が不足したときにエネルギーとして使われるのは、タンパク質ではなく脂肪であるみたいです。
他にも、こちらの動画と本を参考にすると、脂質は体に貯蔵できる量が多いことが分かります。脂質のタンクは糖質の20倍の容量であるみたいです。
それに加え人間が穀物(炭水化物)を食べ始めたのは一万年くらい前からのことで、それ以前は肉や魚(タンパク質&脂質)を食べていたことが分かっています。
このことから人類が脂質をエネルギー源にして活動することに適しているということが言えます。
これらの理由から僕はベジタリアンアスリートとして脂質も摂取しておく必要があると思いました。
特に試合前にはカーボローディングを行いエネルギー源として炭水化物を貯蔵します。しかし、それだけでなく脂質も蓄えておくことが出来れば、より試合中のエネルギー量が増やせると考えました。
脂質に炎症を抑える働きがある
どうやら脂質には炎症を抑える働きがあるみたいです。特に一価不飽和脂肪酸というものです。
一価不飽和脂肪は炎症を抑え、インス リン感受性を高め、善玉のHDLコレステロールを増やし、悪玉のLDLコレステロールを減らし、心臓発作や脳卒中の原因となる動脈のプラークを除去する働きがあることが証明されています。
plant based athlete
アスリートがヴィーガンやベジタリアンになることで得られる効果はリカバリーが早くなるということがよく挙げられます。それは主に赤肉などに含まれる脂質が炎症を誘発し過度に炎症を起こしてしまうからと考えられています。
なので菜食に切り替えることで、炎症を誘発しないだけでなく、抗炎症物質が含まれている野菜やフルーツの摂取量が増えるので炎症を抑えてくれます。
こういった理由から炎症というワードはアスリートにとってとても大切です。
そんな炎症を抑える効果が脂質にもあるみたいなので、ベジタリアンやヴィーガンのアスリートは是非注目すべきです。
魚に良質な油が含まれている
ですがそんな抗炎症効果がある脂質ですが、それは魚に豊富に含まれていることが分かってしまいました。
ベジタリアンとして魚を食べないのであれば、その分他の食材から補わなくてはなりません。なので何を食べるべきなのかこの記事を見て学んでいきましょう。
油(脂質)の種類
脂質が体に良いということが分かりましたが、どの油が体に良いのでしょうか。
トランス脂肪酸であったり、オメガ3系脂肪酸、オメガ9系脂肪酸だったり、DHAだったりと名前は聞いたことありますが、なにが何だかさっぱり分かりません。
そこでまず脂質を整理するために表を作ってみました。しかもこれはヴィーガンやベジタリアン向けの特製です。
plant based athleteを参考にそれぞれについて軽く説明します。
飽和脂肪酸
飽和脂肪酸は、食事に加えたくない脂肪の一種です。
飽和脂肪酸を含む食品を食べると、血中の有害なLDLコレステロールの濃度が上がり、心臓発作や脳卒中のリスクが高まります。
米国心臓協会では、飽和脂肪酸の摂取量を総カロリー の5〜6%に抑えることを推奨しています。動物性食品を避けていても、これには少し注意が必要です。飽和脂肪酸はバター、ラード、チーズ、アイスクリームのような乳製品に多く含まれ、焼き菓子 やエナジーバーにも加工油の形で含まれることがあ ります。
plant based athlete
この本によると、飽和脂肪酸の摂取量は全体の5%であれば、許容範囲と言うよりもむしろ推奨されているみたいです。
飽和脂肪酸の代表格はココナッツで、中鎖トリグリセリド(MCT)が含まれています。
中鎖脂肪酸は消化が良く、脳や記憶力の向上、エネルギーや持久力の増強、血糖値やコレステロール値の低下、体重減少など、多くの健康効果が期待されます。
MCTオイルは個人的にも流行りで集中力を向上するためにコーヒーなどに入れトライ中です。
一価不飽和脂肪酸:オメガ9系(オレイン酸)
オメガ9系EFAは体内で生成できるため、食事から摂取する必要はないみたいですが、食事からオメガ9を摂取するメリットもあるみたいです。
一価不飽和脂肪は炎症を抑え、インス リン感受性を高め、善玉のHDLコレステロールを増やし、悪玉のLDLコレステロールを減らし、心臓発作や脳卒中の原因となる動脈のプラークを除去する働きがあることが証明されています。
一価不飽和脂肪の主な摂取源は、アーモンド、カシューナッツ、クルミなどのナッツ類、アボカド、チアシード、ココナツなどです。
オリーブオイルなどの植物油にはオメガ9系脂肪酸が豊富に含まれていますが、加工油の圧搾や濃縮によって失われてしまうみたいです。
オススメとしてはナッツそのものを選ぶと、最も栄養価が高くなるみたいです。
多価不飽和脂肪酸:オメガ6系(リノール酸)
オメガ6系は主にエネルギー源として使われ、私たちの生命維持に欠かせない栄養素です。
しかし、私達はオメガ6系を摂りすぎる傾向にあるみたいです。
油や加工食品に多く含まれているため、多くのアメリカ人は過剰に摂取し、健康に悪影響を与える可能性があります。
多価不飽和脂肪酸:オメガ9系(α−リノレン酸、EPA、DHA)
オメガ3は細胞膜の重要な構成要素であり、心臓の健康を増進し、精神衛生と気分の安定を高め、体重減少を助け、脳の発達に効果を発揮します。
また、炎症と戦い、認知症を予防し、喘息の症状を軽減し、骨の健康を促進し、肝臓の脂肪を減少させるという優れものです。
ですがオメガ6系とは対称にオメガ3系は摂取量が不足しがちみたいです。
難しいので細かいことは割愛しますが、ちなみにオメガ6系脂肪酸とオメガ3系脂肪酸の理想的な比率は、4:1、あるいは3:1程度とされています。
オメガ6系が多すぎたり、オメガ3系が少なすぎると、心血管疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、がんなどを発症する可能性が高まりますが、比率が低いとそれらのリスクが抑えられます。とはいえ、植物性の食品を中心に摂り、油や加工食品を避けていれば、オメガ6系を過剰に摂取するリスクは比較的低いと言えます。
plant based athlete
オメガ3系を含む植物性食品としては、クルミ、ヘンプシード、チアシード、フラックスシードなどが挙げられます。
トランス脂肪酸
トランス脂肪酸には、天然由来のもの(一部の動物性食品、特に加工肉や乳製品に含まれる)と人工由来のもの(部分水素添加植物油)の2種類が存在します。
人工的なものは、私たちが摂取するトランス脂肪酸の大部分を占め、液体の植物油に水素を加えることで半固体の半流動油を作り、ピザ、チップス、クッキー、バターを使ったものなど、焼き菓子や大量加工食品によく使用されます。トランス脂肪酸の摂取は、心臓病、炎症、高LDLコレステロール、低HDLコレステロールと関連があるという研究報告があります。
plant based athlete
トランス脂肪酸の摂取は、脳卒中や心臓病の原因となるトリグリセリドの増加にもつながります。
この本ではトランス脂肪酸を完全に避けることをおすすめしています。
※良い油と悪い油がある
いろいろな油が出てきて頭がこんがらがってきました。そんなときにはこれだけ覚えておくと良いと思います。
油(脂質には)良い油と悪い油があるとこの動画では言っています。
人工的に作られた油は基本的に悪い油と覚えておくことが良さそうです。
例)
・トランス脂肪酸→お菓子やケーキ、マーガリンに含まれる
・サラダ油、キャノーラ油→人工的に(安く)作っている
ちなみにトランス脂肪酸は不飽和脂肪酸の一種みたいです。
個人的に注意すべきなのは飽和脂肪酸。
マーガリンやバターに含まれるいわゆる悪い油が飽和脂肪酸に多く含まれます。
ですが、中にはココナッツオイルなど天然の植物から出来た油も存在し、それは体にとって良い油となります。
脂質は少ない量で良いからこそ、摂取する油を良いものにしてこだわる必要性があると思います。
どれくらいの脂質を摂取すればいいのか
脂質が体にとって大切なこと、どんな種類の脂質を摂取すればいいのかが分かってきました。
最後は脂質の摂取量についてです。
ポイントとしては摂取しすぎないということです。
理由としては以下の2つです。
多くの脂肪源にはほとんど栄養価がない
太る可能性がある
あくまで脂質は脇役的存在であり摂りすぎないことが大切みたいです。
参考までにこの本で紹介されている食事プランを紹介します。
1食あたりのカロリーの割合をこのように設定することをおすすめしています。
【筋力系アスリート】
50%炭水化物
25%タンパク質
25%脂質
【持久力系アスリート】
70%炭水化物
10%プロテイン
20%脂質
このように脂質の摂取量は全体のカロリー量によって変わってきますが、具体的にそれぞれの目安摂取量を最後に紹介します。
MCTオイル:1回につき小さじ1杯(約5g)〜大さじ1杯(約15g)が目安になります。1日では30gが目安。
くるみ:1日に7粒程度
ナッツ:1日に片手で持てる程度
おすすめの脂質摂取方法
バターコーヒー
僕が最近取り組んでいる脂質摂取法です。
僕はヴィーガンではないためバターは摂取してもOKにしてます。オーストラリアはグラスフェッドバターが充実しててスーパーに行けば殆どのバターがグラスフェッドバターであることが分かります。
僕はこのグラスフェッドバターとMCTオイルを朝に飲むコーヒーに混ぜて飲んでいます。
狙いは脳へのエネルギーを供給し集中力アップです。
味は最初の何口かはバターを飲んでいる気分ですが、そこさえ乗り切ればあとは普通のコーヒーなので苦なく続けられています。
アボカドレモン
アボカドにレモンエキスをかけ、塩コショウを少し足して完成です。
死ぬほど簡単におかずが一品増え、脂質を摂取できます。めちゃくちゃおいしいです。
他にもカリウムなどの栄養も豊富です。
アボカドは環境にはよくないみたいなのでいつかは頼りすぎないようにはしています。
ナッツ
僕個人的にはナッツはあまり好きではありません。口がパサパサするからです。
ですが栄養豊富ですし、ベジタリアンやヴィーガンにとって無視できない食材であることは間違いないです。
僕のおすすめとしてはいかにふとした時に食べられるかです。「ああ、ナッツ食べたい」という瞬間は僕には来ません。
なので、こうしてブログを書いててなにか少しつまみたくなったとき、運転しながら口が寂しくなった時にナッツにすぐ手が届くようにしています。
そうすることでお菓子に手を出す量も減りましたし、効果は感じています。
とにかくふとした時に食べられる距離にあることが大切だと思っています。
まとめ
思っていた以上に脂質は複雑でした。難しくなったのでベジタリアンアスリートとして重要だと思ったポイントを3つに絞ります。
悪い油(人工的に作られた)は摂るな
MCTオイルを摂る
オリーブオイルは熱にかけるな
正直、自分がいまの食事から何カロリー摂れていて、そのうち何gが炭水化物で、脂質の割合がこれくらいで、、、なんていうのは今の僕には分かりません。
きっと同じように思っているアスリートも少なくないと思います。
だから、僕はまずは細かい脂質の割合とか無視することにしました。
それよりも大切なことは体に悪いものを摂取しないことだと思います。
何事も良いことばかり取り入れるのではなく、悪いものを自分から排除することが重要だと思います。体も同じだと考えています。
ポテトチップスやフライドポテトが体に悪い油で出来ていることは皆さん分かっていると思います。
であれば、それを体に入れないようにするほうが僕は簡単であると考えました。
そして最後はMCTオイルです。
飽和脂肪酸についてまとめていて気づいたのですが、バター等といった動物性の食品が多いことに気が付きました。
ということはヴィーガンやベジタリアンは飽和脂肪酸が不足しがちなのではと考えました。
飽和脂肪酸はそこまで摂取する必要はないみたいですが、摂取するのであればMCTオイルで良質に効果的な油を摂るのが良いと思います。
以上がまとめです。
最後の方は個人的な意見が多くなってしまいました。
僕は栄養士などでもないし専門家でもないのであくまでベジタリアンアスリートのいち意見として受け取ってください。
時代は脂質です。
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