僕は今、海外でサッカーをして生きていく上でジレンマを抱えている。
最近はシーズンが終盤に差し掛かってきたところで今後についてどうしようか考えざるを得ない時期がやってきています。
このままオーストラリアに残るか、ニュージーランドに戻るのか、はたまた新しい環境を求めて違う地に場所を移すのか。
まだ何も答えは出ていませんが、そんなことを考え始めないといけない時期です。
サッカーと生活の両立
大人になったいま、わたしたちは自分の判断で住む場所を選ぶことができます。
僕は東京のような都会は好きではなく、人が少なく自然豊かな田舎でひっそりと生きていきたいタイプです。そしてその願望が人一倍強いです。
一方で、サッカーとなるとまだまだレベルの高い環境にチャレンジをしたい気持ちが強く、そうするためには人口が多く競争も激しくなりやすい都市を選ぶ方が賢明な判断だと言えます。
一見、相反するこの両方の間にどう妥協点を探していくのか。
こんな葛藤が続いているので、今回はそれをいい機会にサッカーと住む場所について自分の考えや人生観を織り交ぜて考えていきたいと思います。
海外でサッカーをして生活していく上で、まずどうやってその土地を選んでいるのか。
住む場所を決める上で、なにを大切に考えているのか
こんなことを話していきます。
前提:サッカーは都市のほうがレベルが高い傾向がある

サッカーは人口の多い都市のほうが田舎と比べてサッカーのレベルが高いです。つまり、上手くなれる環境があると僕は考えています。
理由は単純でサッカーという団体スポーツは試合をするために22人もの選手を必要とするからです。
チームが強くなるためにはレベルの高い選手が集まって練習をしたほうが競争率が高くなり、うまくなります。
人口の多さは競争を生み出し、自然とお互いが高めあえる環境になります。
僕の経験から例を挙げると、東京都の大学サッカーのレベルは他県と比べ非常に高かったと思います。
特にこの差はリーグ全体を見渡した時に顕著になります。力の差はあれど東京都一部のチームは首位と最下位が試合をしてもそれなりに接戦になります。しかし、他県では大差の結果となっていることが多く見られます。
今回の話はプロフェッショナルな環境ではない育成年代を中心に考えているのですが、イングランドプレミアリーグにてロンドンに強豪が集結していることも関係していると思います。
人口が多く、それぞれの距離が近いために、選手に限らずサポーターを含め、お互いを高め合う環境にあるのだと思います。
例外として青森山田高校が浮かびそうですが、彼らは選手を他県から集め、リーグには東日本のトップリーグに参加しています。
彼らのようにチーム内練習の環境と、リーグ環境のレベルを確保できているのであれば田舎でも問題ありませんが、この環境を得られるチームや選手はそう多くないと思います。
チームの練習も、リーグでの試合もレベルの高い環境を目指すのであれば都市を選ぶのがベターであるというのが僕の意見です。
周りがレベル高くても自分は上手くなれる。
それもあると思うしその可能性も信じたいですが、少なくとも僕はレベルの高い環境でサッカーをしていたほうが上手くなれるし楽しいと感じています。
ところが僕は田舎に住みたい

サッカーを抜きで考えると僕は、人が少なく、自然が豊かで、静かな田舎でひっそりと生きていきたいです。
暇になればデパートやおしゃれなレストランに行くのではなく、ビーチに行って何気なく本を読んだり、森に行って散歩をしていたい、そんな人生がわりと好きです。
もちろん、これは理想に過ぎずサッカーや仕事のことを考えると効果的ではないと思います。
サッカーは先ほど述べたように都会の方が充実した環境があるし、見に行くにしても田舎からスタジアムまで足を運ぶのは大変そうです。仕事も基本的には人がいる場所に需要があって、そこでビジネスが成り立つことが多いと思います。
しかし、困ったことに僕はこのサッカーや仕事以外の時間を結構大切にしてて、どんなところに住んでいるかが精神に大きく影響を与えるのです。
最初の海外挑戦:ニュージーランドでクライストチャーチを選んだ理由

僕が初めて海外でサッカーをしようと考えたとき、エージェントは利用せずに自分一人で計画をしました。
文字通り、白紙のまま自分のやりたいように設計をすることが出来ました。
なぜクライストチャーチを選んだかと言うと、田舎度合いとサッカーの妥協点がそこに落ち着いたからです。
サッカーのみで考えれば、オークランドシティも存在するオークランド地方、もしくは首都のウェリントンを選ぶことが定石です。
しかし、その2つを僕はまず始めに選択肢から除外しました。
僕にとっては都会すぎるような気がしたからです。海外に来てまで東京のような雰囲気を感じたくないために、その2つの2大都市は選びませんでした。
だからといって、南島の最南端などの田舎町を選べるかと言ったらそうでもありません。
サッカーをメインで考えていた僕はサッカーにおいてもある程度の強度とレベルを求めていました。
実際の現地のレベルがどんなものなのか、日本からは計ることは不可能でしたが、さすがに「ニュージーランドの田舎はやばいだろう」という直感は働きました。
そうして落ち着いたのがクライストチャーチでした。
結果としては、僕の狙い通り都会っぽさはゼロですが、それなりに人口もいて街も最低限発展していました。サッカーにおいても地域全体としてレベルが高いとは言えませんでしたが、チームのないの競争は激しく、予想以上のエキサイティングな環境を手にすることが出来ました。
サッカーありきの海外挑戦でしたが、住む場所を第一にまずクライストチャーチを選んだことはまぎれもない事実です。
チームはクライストチャーチに行って、その後に探し始めました。そしてそのチームでニュージーランドも制覇してきました。

アデレードのポテンシャルはなかなか高い

僕が今、住んでいるオーストラリアの田舎はアデレードという街はオーストラリア第5の都市らしいです。
僕が数あるオファーのなかからアデレードを選んだのも、住む場所を優先して決めました。
ニュージーランドのときと同じ理由で僕の中でシドニーやメルボルンは選択肢から自然と外れていました。
ですが、「アデレードなら都会過ぎないし、リーグのレベルも高そう」こんな直感が働きました。
結局、最後のところはフィーリングなのですが、この直感を紐解いていくと田舎感とサッカーのレベルの丁度よいところを嗅ぎ分けているように思います。
そんなアデレードの街並みはどんなかと言うとクライストチャーチに比べればかなり都会です。
しかし、シドニーやメルボルンに比べると全く都会感はありません。日本で言う福岡?的な立ち位置だと思っていて過ごしやすいです。
海も山も都市もすべてが20分以内に揃っている街です。
一方でサッカーはどうなのかと言うと、結構レベルが高いです。
僕が現在プレーしているNPL SAというリーグはオーストラリア二部に相当し、南オーストラリア州のトップリーグという形になります。
しかし、実態はというと所属しているチームがすべてアデレードに存在し、すべての試合会場に車で20分もあれば行くことが出来ます。
こんなコンパクトな街で行われているリーグですが、レベルはそこそこ高いです。
比較することは難しいですが、日本で言うなら関東社会人リーグ相当、ニュージーランドで言えばナショナルリーグに相当するレベルだと思います。
ニュージーランドが国全体で行っていたリーグのレベルを一つの都市で再現できてるのはなかなかすごいことだと思います。
田舎感を保ちつつも、この小さな町でハイレベルなサッカーを展開しているアデレードは、個人的になかなかのポテンシャルがあるのではないかと考えています。
田舎に可能性はないのか

僕の望みとしては、「どんなに田舎でも都市と変わらないサッカー環境が得られる」ことです。
一つは、僕の個人的な願望です。
田舎でゆっくりしながらもサッカーはエキサイティングできる。そんな生活が出来ればいいなと思っています。
二つ目は「田舎で育つ子どもたち」を思ってです。
子供は自分の意志で住む場所を選ぶことが出来ません。親の事情で決まった土地で、住み、育っていきます。
それがもし、どんなに集まっても1チームも出来ないような人数しかいない街でサッカーをしていくのはかなりのハンデと言うか機会損失のように思います。
今は具体的な解決策は思い浮かばないです。
ですが昔に比べれば、You Tubeなどで自分でサッカーを学びやすくはなっているし、テクノロジーの力である程度はなんとかなるかもしれません。それでも完全にこの差はなくならないと思います。
日本は少子高齢化で子供はどんどん減っているし、それに加えてもし都市集中化が進んでいったら田舎サッカーの可能性がさらになくなっていってしまうように思います。
田舎(地方)のサッカー環境が、日本全体のサッカーにどんな影響を与えるのか、はたして意味があるのかは分かりません。
ただ個人的に、田舎に住みながらも充実したサッカー生活を送りたいのと、田舎で育つことを余儀なくされるサッカー少年少女にも、都市部と変わらない環境を与えてあげたいなという願望のお話でした。
僕はまだ来シーズンどこでサッカーをするか、すなわちどこで生活をしていくことになるのか全く決まっていません。
自分でも分かりません。一ヶ月後にはシーズンも終わるので無職の身です。
僕の人生、けっして緩やかな道はなさそうですが、サッカーやお金のことも考えつつも、暮らしについても妥協せずに生きていければと思います。
さて、次はどんな土地に行くことになるでしょうか。
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