ベジタリアンになってもう半年。日本で生活していた頃は自分がベジタリアンになっているなんて想像もつきませんでした。
大学で好きだったランチは唐揚げ弁当。
きついトレーニング後は肉を中心とした動物性タンパク質をたらふく食べることが正義と思っていました。
寿司も焼肉もすき焼きもステーキも、ありとあらゆる肉や魚の料理が大好きでした。
そんな僕が今ではベジタリアンです。出来ればヴィーガンにすら近づこうとすらしています。
このことから分かるように、ベジタリアン=肉嫌いの人ではないんです。
それに加えて僕は海外でサッカーをしているアスリートです。体づくりやエネルギーの面でも”食”はとても大切です。
そしてチームで活動することが多い中で、ベジタリアンであることは大変なこともたくさんあります。
「どんなことが大変なのか」
今回はサッカーをしているアスリートである僕が、ベジタリアンであるうえでの苦労を紹介していきたいと思います。
そもそもアスリートなのになぜベジタリアンなのか
筋肉をつくるには→タンパク質
ということは、肉や魚といった動物性タンパク質が必要だ
アスリートがベジタリアンである理由を知ってもらう為にはまず、この偏見を捨てる必要があります。
僕にとってこのきっかけはネットフリックスにあるドキュメンタリー”The game changers”でした。
このドキュメンタリーによって僕は”タンパク質は植物からでも十分に摂取出来る”ことを知りました。そして僕が興味をもったのは「動物性タンパク質が怪我の増加や、回復の阻害を引き起こしている」という部分でした。

サッカー選手であるもののプロではないため、サッカーのかたわら仕事をしている僕にとって「リカバリー」は大きなテーマでありました。そんな僕に菜食中心の食生活が体に及ぼすメリットと言われるものは、決して無視できるものではありませんでした。
それに加えて、ニュージーランドは日本と違って(今の日本がどうなのか分かりませんが)ベジタリアンやヴィーガンが遠い存在ではありません。そこらへんにたくさんいます。現に、僕のチームメイトにも三人ベジタリアンがいたこともあって、僕にとってベジタリアンへのトライはとても身近なものでした。
こんな感じでベジタリアンに興味をもって、興味をもったらとりあえず自分の体で試したくなって、やりながら他にも本などを読んで理解を深めていっている状況です。
アスリートベジタリアンとして苦労すること

タンパク質の確保
体づくりにおいてやはり大切なのがタンパク質の確保。そしてその大部分を肉や魚に頼ってきた僕にとって、植物からのみでタンパク質を摂取することは簡単なことではありません。
以前に半日使って、一日当たりのタンパク質摂取量を計ってみたところ、目標としている120gにギリギリ到達している状況でした。しかし、参考にしたその時の一日の食事は、正直僕の食生活で理想であろう食事を選んで計算したし、それでも40gはプロテインパウダーと卵に頼っていることが明らかになりました。
つまり、ここ最近のぼくの食生活を平均すると120gにはほど遠いのです。
自分で自炊していることからやろうと思えば出来るのですが、怠惰という人間の性を隠すことが出来ずになかなか、十分な食事を確保できていないのが現実です。
不可能ではまったくないのですが、やはり菜食のみでの十分なタンパク質の確保は簡単ではありません。
遠征時の食事
サッカー選手である僕にとって気を付けなければならないのが遠征時の食事。ホテルやグラウンド周辺のレストランやショップにベジタリアン料理がなかったら「The・end」です。チームがあらかじめホテルや相手チームにお願いして対応してもらえる時もありますが、そうでないときもあります。
これまでには
・試合後の食事が全部肉が入っていて食べるものがなかった
・ホテルの朝食がグラノーラしかベジタリアン料理がなかった
などがありました。
エネルギーの源である食事を満足に取れなければパフォーマンスも発揮できないので、僕はここは自己責任だと思って持参することが多いです。
毎回「なにが入っているんだ?」と聞かれる、梅干しおにぎりを持ち歩くようにしています。
レシピの偏り
最近の僕はパスタを作ることがほとんどです。理由としては簡単で美味しいからです。
次に多いのはカレーです。ジャパニーズもたまに作りますがインドカレーにはまっています。理由としては簡単で美味しいからです。
この二つに共通していることは「肉を使わなくても作れる」ということ。
このように簡単・美味しい・ベジタリアン料理という枠の中で料理をすると、僕の腕ではどうしても偏りが出てきてしまいます。
友達とのご飯
先日一緒に住んでいたフラットメイトとこんなことがありました。
フラットメイト「今度、みんなで○○(ステーキ屋さん)にディナーしに行こう」
僕「ごめん。ベジタリアンだから今回はパス。」
ベジタリアンであるがゆえに友達との食事をパスしてしまいました。
頻繁に起こることではありませんが、いつも遊ぶ友達などもご飯に行くときはベジタリアン料理があるか調べたりしてくれているので、すこし申し訳ない気持ちになります。
ラーメンが食べられない
ほとんどのラーメンが豚骨を出汁にしてできているのでベジタリアンになるとほぼすべてのラーメンが食べられなくなります。
ただ僕は厳格なベジタリアンではないので、出汁に肉や魚が使われているのはオッケーということにしてチャーシュー抜きにしてラーメンを食べています。
いつかは止めないとなとは思っています。今は止められません。
本音は肉を食べたいのか?
「はい、食べたいです。」
正直に言うと、思っていたほど肉を食べたくなったりすることはなく、ベジタリアン生活もストレスなく続けることが出来ています。
しかし時々、ラーメンに限らずステーキやベーコン、チキンなど無性に食べたくなる時があります。
それはどんな時か。
めちゃくちゃお腹が減った時です。この時には心の底から肉を食べたくなり何度も手を出しかけました。それでも耐えた自分を褒めてあげたいです。
ただ、どんな時に肉を食べたくなるのかが分かれば対応は難しくありません。極限の空腹を感じないように適度にお腹を満たしておけばいいのです。
こうして僕はストレスを感じることなくベジタリアン生活を送っています。
ほんとうの修羅場は日本

これまでの話はニュージーランドでの生活での話です。正直、ニュージーランドはベジタリアンやヴィーガンの食生活をするにあたってとても取り組みやすい国だと思います。
どこのレストランに行ってもベジタリアンやヴィーガン料理が少しはメニューにあるし、友達などにも普通にベジタリアンがいます。
移民国家であるニュージーランドにはほんとうにいろんな国の人がいるし、それだけ宗教も違うので、文化や慣習にほんと寛容です。「あ、君もベジタリアンなんだ」くらいそこらにいます。そしてなにより、焼肉もないし寿司のクオリティなども低いのでそそられることもありません。
一方で、日本。
焼肉のお店はそこらにあるし、寿司は百円から食べれるしそんで美味しいし、牛丼は安いしで誘惑が多すぎます。日本を思い出すたびに、「日本でベジタリアンはむりだな」と痛感しています。
それでも、畜産が環境問題に与えている影響は甚大ですし、今後プラントベースの食事がもっと普及し、肉や魚を安価で食べられる機会は減っていくと思います。魚も、漁業によって多くの魚が絶滅に瀕しているし、水銀やマイクロプラスチックといった健康被害も無視できないところまで来ています。

こういったことを考えたら、ベジタリアンにトライし続けることは意義があると思うし、実際にアスリートとして体のことを考えてもメリットが大きいと感じています。とはいえ、日本の食事を思い出すと食べたくて仕方なくなって、日本に帰ったら「ベジタリアン休憩」しようとも考えている自分もいます。
とにかく今は、自分なりに「ルール」を設けてどこまで動物性食品を食べてよいことにするのか決めて、なるべくストレスを感じないように継続性を高めています。
今回は、ベジタリアンの人はみんな肉が嫌いでやっている訳ではない。
実際は、食べたくて仕方ないときもあるんだよっていうお話でした。
コメント