【マッチプレビュー】Chatham Cup準決勝

10月3日AM9:00(日本時間)ニュージーランドの天皇杯と言えるChatham Cup の準決勝があります。サッカーを続けてたぶん20年くらい、僕のこれまでのキャリアの中で最大の試合がやってきます。

ぜひ日本にいるみんなにも見てほしいし、どうせ見てくれるなら少しでも楽しんでもらいたいと思い、この試合の見どころやチームメイトの紹介をしていきたいと思います。

Chatham Cupとは

Chatham Cupとはニュージーランドに存在するすべてのチームが参加する一番大きなカップ戦です。全地域のチームが参加する大会はこれしかなく、日本で言う天皇杯。こちらの人はニュージーランドのFAカップだとよく言います。

この大会の特徴はリーグ戦等で適用される外国人枠20歳以下の選手起用の義務がないことです。つまり、チームがもっている最強のメンバーで戦うことが出来る大会です。

このことから優勝すれば文字通り、「ニュージーランドで一番強いチーム」の称号が手に入れられます。

未だにオークランドではロックダウンが続き、ナショナルリーグの行方が不透明な中、僕らのこのタイトルに懸ける気持ちはかなり強いです。

僕らのこれまでの戦績は

Cashmere Technical

Round 1. bye

Round 2. Parklands 8 – 0

Round 3. Selwyn 4 – 0

Round 4. Nelson Suburbs 7 – 3

Round 5. Christchurch United 3 – 0

Quarter-Finals. Hamilton Wanderers 4 – 0

対Nelsonでは大量得点しすぎたからか守備が緩み失点をしましたが、その後2試合は無失点で切り抜け調子を挙げてきています。

準々決勝の試合はこちらです

対戦するチームは

Western Suburbs

Round 1. bye

Round 2. bye

Round 3. Upper Hutt 4 – 0

Round 4. Napier City Rovers 3 – 0

Round 5. Waterside Ka2ori 2 – 0 

Quarter-Finals. Melville United 1 – 0

Western Suburbsはニュージーランドでおそらく唯一のアカデミーを持つクラブで、多くの選手がこのアカデミーからヨーロッパやアメリカに旅立っているみたいです。先日の東京オリンピックに出場したニュージーランド代表の中にも、このアカデミー出身の選手がいたみたいです。このこともあって、チームは若手の選手主体であるみたいです。

チーム紹介

僕が所属するクラブはCashmere Technicalです。クライストチャーチでは一番大きなクラブでキッズからシニアまで多くの選手が所属しています。

今シーズンの成績

New World Men’s Premireship(クライストチャーチのリーグ)は11勝2分1敗で優勝

Southern League(南島のリーグ)は6勝1敗で優勝

English Cup(クライストチャーチのカップ戦)は3試合勝利し決勝進出

そしてChatham Cup(ニュージーランド全土のカップ戦)は4試合勝ち抜き準決勝進出

トータルで24勝2分2敗というシーズンを送っています。

基本フォーメーションは4-3-3で1ボランチに2インサイドハーフの形を取ります。

僕が思うにこのチームのストロングポイントはカウンターアタックです。決して足の速い選手が前線に揃っている訳ではないのですが、ニュージーランドのサッカーは間延びしやすく、そこのスペースを利用するのが上手いチームです。
クライストチャーチのリーグや南島のリーグでは正直実力が一つか二つ抜けているので、基本ボールを保持できるのですが、僕はまだビルドアップやボールポゼッションがこのチームの特徴だとは思えないです。
一方で、いままで格下のチームと戦うことが多かったのでほとんど披露していないのですがブロックディフェンスはそれなりに固いと思います。このチームでは一度もトレーニングをしていないのですが、ほとんど選手が昨シーズンはカンタベリードラゴンズというチームでナショナルリーグを戦っていたメンバーであり(リーグ方式の変更についてはこちらの記事で)そこで、守り鍛えられていたので、準々決勝の試合ではブロックディフェンスがうまく機能していました。

メンバー紹介

スターティングメンバーはまだわかっていないのですが、僕なりに予想してみんなを紹介します。

GKは22番
セービング、ロングキック、ビルドアップなど全てをこなせる万能なキーパーです。決して体は大きくないのですがハイボールも安定していて頼もしい限りです。

RSBは12番
運動量と対人の強さが武器。フィジカルがほんとうに高く、抜かれてもついていけるし、球際で足が伸びてくるので一番対峙したくないディフェンダーです。

CBは5番と6番

5番は空中戦とシュートブロックが最強。コーナーは全部はじき返します。アジリティはないくせに意外と1対1抜かれたとこを見たことないかもしれません。雰囲気はファンダイクなんですが、ビルドアップは出来ません。

6番は我らがキャプテン。足元の技術が高く正確なロングキックと前線への配球が絶品。この人がいないと僕はギャップでプレーすることが出来ません。イングランド人の彼は30歳を過ぎていて、スピードのある対人には弱いのが唯一の弱点。だが、経験でカバーしてくれることを願います。

LSBは33番
イングランド人、36歳。鉄人です。前線へのオーバーラップと左足から繰り出されるキックが武器。クロス精度はチーム1です。

中盤の三枚は16番、17番、そして28番の僕です。

16番は守備の達人です。日本代表で言う遠藤航選手のようです。プレーエリアはそこまで大きくなくビルドアップも得意とはしていないのですが、足元の技術は高いです。彼が中盤で刈り取ってくれるので僕はあまり守備をしないで済みます。

17番は運動量とボールキープ力が売りです。ボール奪取能力も非常に高く、相手に強いプレッシャーを与えます。いっけん下手そうに見えるのですが、ボールを奪われないキープ力がすごいです。意外に足が届かない所にボールが置いてあるのと感知能力が高いです。ヴィーガンです。

28番の僕はその試合で必要だと思ったことは何でもやるタイプのつもりです。一応チームで二番目に点も取っているので、点取り屋のつもりでもあります。シュートは下手なのですが、スペースを見つけ出したり展開を先読みして、チャンスを創出することが強みかと。

RWGは32番
普段はサイドバックをプレーしている彼ですが、このカップ戦ではRWG。インテリジェンスが高く、気の利いたプレーやコンビネーションプレーが得意。キック精度が高く、伸びるスライスのボールや早いクロスを供給出来ます。

LWGは19番
シュートが上手いレフティー。シュートに限らずクロスやスルーパスのセンスもすごい。個の選手は欲しいタイミングでパスを出してくれるのですごい動き出しがしやすいです。

CFは10番
アイルランド人の彼は生粋のストライカーです。たしか今シーズンは20数試合で30点近く得点しています。そんな彼ですが、技術が非常に高くそしてサッカーIQも高いので、最前線から少しおりてきてギャップでボール受けることを好みます。ペナルティーエリア内では絶対にパスしません。たまにむかつきますが、彼とプレーするのが一番楽しいですし、僕が今までプレーしてきたチームメイトでは彼が一番上手いです。

以上が予想されるスターティングですが、サブで1人キープレイヤーがいます。


8番は途中から流れを変えられるスーパーサブです。流れを変えるというか、点を取ります。昨シーズンのナショナルリーグでも途中出場して、点を決め何度もチームを救ってきたし、ロックダウン直前の試合でも0-2で負けていた僕らですが、彼が途中出場し決勝点を決め3-2で逆転勝利しました。彼には注目です。

試合展開や見どころ

試合展開や鍵を握るだろうなと思う所はプレッシングの部分です。おそらく相手チームにボールを握られる展開が増えると思うのですが、相手チームが深い位置からビルドアップを組み立ててきたときに、何回プレッシングでボールを奪えるか。また、その奪ったボールをゴールへ繋げられるかがポイントです。相手のボランチはCBの間に落ちてボールを受けるシーンが多いみたいなので、3バックのような形でビルドアップされたら僕らのプレッシングは機能しないような気がします。オーガナイズされていないし、南島のリーグは北島に比べレベルが低く、プレッシングの強度も高くないと僕は感じているので。ただ、それでも相手のWGが張ることを好むタイプだったら、僕らのSBがそのままマンツーマンで対応できるし、彼らは対人が強いので上手くボールが奪えそうな気がします。相手サイドバックが高い位置を取り、両WGが中に入ってきて中盤で数的有利を作られると、少し引いてスペースを消した方が無難だと考えています。

もう一つのポイントは開始15分だと思います。先にもいいましたが南島のリーグと北島のリーグでレベルが大きく違います。準々決勝で北島のチームと対戦した時、正直プレスの強度やボールを動かすスピードに驚かせられました。その試合はなんとか凌ぎ、その後うまく対応したことで4-0で勝つことが出来ました。おそらく次の試合も同じことが起きると思います。相手チームの強度やスピード感にいち早く対応できるか対応するまでに無失点で乗り切れるかが大きな分かれ道です。
僕らが今シーズン負けた二試合はいずれも0-1。点を取った試合は負けていないので、先制点が大きいということは言わずもがなです。

僕個人としては、どのように中盤でボールを受けられるかがポイントです。おそらくですが、相手がプレッシングをかけてきたら僕らは上手くボールを逃がせられず、ロングボールを使う機会が増えると思います。そのロングボールがうまくいってればそのまま継続し、相手を間延びさせればいいし、上手くいってなければ少し落ちてボールを落ち着かせることが必要になるかと。とにかく中盤を支配するためにいろんな動きをするつもりなので、そこに注目してもらいたいです。

以上がチーム紹介と準決勝の試合についてでした。
もちろん日本のサッカーと比較するとニュージーランドのサッカーはレベルが低いです。
でも日本のサッカーとニュージーランドのサッカーは違うし、コロナによって観客が来れないのですが、ニュージーランドのサッカーを知る良い機会だと思います。少しでもこの記事が試合を面白くさせられればなと思います。

頑張ってきます。

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この記事を書いた人

Vegetarian x Athlete.
Football player in Australia(NPL South Australia).
Interested in Environment issues.

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