ニュージーランドサッカーのリアルなお金の話「いくら貰えるのか?」

「ニュージーランドのサッカーってどのくらいお金もらえるの?」

今回はそんな質問に答えるべく、

・ニュージーランドで2シーズンプレー

・ニュージーランドの最高峰のリーグでプレー

・現在も複数のチームからオファーを頂いている

こんな僕がニュージーランドのサッカーのお金事情について解説していきたいと思います。

ニュージーランドのサッカーはプロサッカーではありませんが、サッカーでお金をもらうことは可能です。多くの選手が給料をもらいながらプレーしています。

しかし、「プロでないからこそ」そこには様々なルールがあり、少し複雑なものになっています。

生活においてお金は大切ですし、サッカーをすることでお金をもらえるのであれば、どのくらい貰えるのか知っておきたいと思います。

そんなニュージーランドでのサッカーを考えている人たちに向けて少しでも参考になればと思います。

目次

ニュージーランドのサッカーでは、どのくらいお金を貰えるのか

ニュージーランドのお金事情を語るうえで欠かせないキーワードは、
「ニュージーランドはプロサッカーではない」ということです。

アマチュアのサッカー選手ということになります。
まずはこれを念頭に置いといてこれからを読み進めてもらえればと思います。

ニュージーランドのサッカーでは2021シーズン現在では、最大NZ$150/week まで選手に支払うことができます。
ポイントとしては、これは給料ではなくてReimbursement (返済、償還、払い戻し)として支払われるということです。

アマチュア選手であるプレイヤーに給料として報酬を与えることはニュージーランドでは禁じられています。
ですが、一方でサッカーをするにはそれなりの出費が伴います。例えば、スパイクなどの用具代などです。これらをサポートするという形でReimbursement が支払われます。

資料が発見できなかったので僕の契約書にあったものを抜粋しておきます。

選手に払える Reimbursement について

日本円に換算すると…

NZ$150がいくらくらいかというと、11月7日現在レート換算するとNZ$1=80円くらいですので、最大でも1週間で12,000円程度しかもらうことが出来ません。

月に換算すると約48,000円くらいということになります。

これがニュージーランドでのサッカーで貰える最大のお金になります。

サッカーのお金だけで生活できるの?

では、はたしてこの少ないお金で生活していくことは可能なのでしょうか。

現地の物価や生活から考えていきます。

ニュージーランドは日本より物価が高いですが、ものすごく高いというわけでもありません。

僕の場合ですと
・ほとんど外食はせず自炊しているので、食事代がNZ$60-70/weekといったところです。
家代が電気代など込みでNZ$170/week の出費です。
その他に娯楽やちょっとした買い物があるとして、週の出費はトータルで約NZ$250といったところです。

もうお気づきになられたと思いますが、サッカーでもらえる最大のNZ$150を毎週貰ったとしてもそれだけで生活をしていくことは不可能になります。

契約はお金だけじゃない

「サッカーだけで生活していくことは不可能なのか」

そういうわけでもありません。ニュージーランドの選手はみんなサッカー以外に仕事をしていますが、お金だけで考えるとサッカーだけでも生活していくことは可能になります。

それは契約やオファーはお金(Reimbursement)だけではないからです。

ルール上少ししかお金を払えない代わりに、クラブは以下のような方法でも選手をサポートすることができます。

・家

ニュージーランドではフラットと言って、一軒家に数人で住んで部屋を分ける住み方が主流になります。チームメイトやチーム関係者に空き部屋をもっている人がいると、そこを利用して無料の部屋を提供できるということもあります。
そうすることで、毎週の一番の固定出費がなくなり、選手の生活をかなりサポート出来ることになります。
違う地域のチームからのオファーだと、無料の家がセットでオファーされることが多いです。

・車

ニュージーランドは車社会です。車をもたずして生活するにはかなり不便です。車なしで2年も生活しているのは僕だけだと思います。そのくらい生活の足となる車を提供するというチームも少なくないです。

・ビザ

僕のような外国人選手に必ず付きまとってくる問題がビザ。ニュージーランドではサッカーでワークビザのようなものを取得する事も可能で、その際にかかる莫大な費用もチームが負担してくれることが多いです。

・ジム

クラブがジムを持っていない場合、選手は個人でジムに通うことになります。その際の会費をチームが負担してくれます。

・仕事紹介

こちらも地域が変わるオファーに多いのですが、現地に到着後の仕事を斡旋してくれます。生活環境を整えるという面ではありがたいサポートです。

コーチング

チームのアカデミーにてコーチとして働くことです。ニュージーランドの最低賃金はNZ$20/hour ですので、契約のお金以外にもコーチ業としてお金を得ることができ、生活の助けになります。

しかし例外もある?

これまでに紹介してきたようにニュージーランドのサッカーで貰えるお金は正直そこまで多いものではありません。


ですが、このルールを無視して選手に多額の給料を渡しているチームが存在することも事実です。資金が豊富なチームは、多額な給料で選手を集めチームの強化を図っています。

それに関しての記事がこちらになります。

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選手に対して不当な金額のお金を払っているチームがあるという告発のニュースです。この記事を読む限り協会も認知はしているようですが、実際には罰などなにも下されていないのが現状です。

僕もこのチームからオファーを頂いたのですが、他のチームとは比べ物にならないくらいの金額とオファー内容でした。
金額だけでもざっと5倍くらいです。

お断りさせてもらいましたが。

どんなレベルでどんな選手がお金を貰えるのか

レベルに関してはチームのレベルが高くなればなるほどお金をかけているチームが増えてきます。成績のために選手を確保するためでしょう。
ただ、下部のリーグのチームでも数人の選手に給料を支払っているチームもあります。

要はそのチームがどのくらいの資金を持っていて、どの程度選手にそのお金を割り当てているか次第になります。

選手に関しては当然ながら実力や結果のある選手が良いオファーを貰います。
ですが僕自身がそうであるように、その選手のレベルは日本ではプロになれないくらいのレベルです。決して高いレベルの選手とは言えないです。
それと若い選手は数年契約などで高い報酬を受け取っている印象があります。

まとめ

・ニュージーランドのサッカーでもらえるお金は最大NZ$150/week(約12,000円/週)

・しかし、家やコーチ業などのサポートを含んだ契約ならサッカーだけで生活していくことも可能

この2つになります。

ただ冒頭でも述べたようにニュージーランドではサッカーはアマチュアスポーツです。
全ての選手がサッカー以外にも仕事をしています。ですので、ニュージーランドでサッカーを考えている人は、サッカーだけで生活していくことは考えないことをおすすめします。

まだまだニュージーランドのサッカーは発展途上で試行錯誤を繰り返している段階です。
こちらの記事でも述べたようにリーグ形式も今年から大きく変わりました。

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それに伴い協会は、選手に対する報酬についても考え直しているみたいです。

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現地の選手たちはあまりにも少ない報酬に嘆いているのが現実です。

以上がニュージーランドのサッカーをする上での、リアルなお金事情についてでした。

また何かあれば報告します。

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この記事を書いた人

Vegetarian x Athlete.
Football player in Australia(NPL South Australia).
Interested in Environment issues.

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