アスリートがわざわざプラントベース代替肉を選択する理由について

アスリートがわざわざプラントベース代替肉を選択する理由はあるのか

今回はプラントベース代替肉について書いていきます。僕は最近ベジタリアン生活をしながらプラントベースの代替肉にお世話になる機会が増えてきています。僕もベジタリアンになるまでは一度も食べたことがなかったのですが、食べてみると意外と美味しく、なかには言われなければ肉と思えるほどクオリティーの高いプラントベース肉もあります。

しかしそれと同時に僕が疑問に思ったのは、「植物性でここまで動物肉を再現するためにはかなりの化学調味料などが使われているのではないか」ということでした。
プラントベース肉といえば、環境に良くて、しかも動物肉のような美味しさで良い面ばかりが目立ちます。
しかし、健康に良さそうなメージで使っているプラントベース肉が実は体に良くないのではないか。
そんな不安をプラントベース肉に抱いたので、今回はベジタリアンアスリートとしてプラントベース代替肉について調べてみました。

この記事は見れば、
近年、代替肉が拡大してきている理由からアスリートとしてプラントベース代替肉を食べるべきなのか判断できるようになると思います。

世界ではプラントベース代替肉の市場は拡大してきているし、ヴィーガンの流行以上に代替肉のブームはこれからもっと来ると僕は予想しています。というのも、プラントベース代替肉は菜食主義者の人のためだけの商品ではないからです。
肉を食べている人にも興味を持って頂けるような内容になっていますのでぜひ読んでもらえると嬉しいです。

目次

代替肉とは

プラントベースのハラミ。ふつうに美味しい。

代替肉とは牛や豚、鶏肉などの動物を使わずに、植物などでつくられた肉のことを言います。
代替肉には主に2種類あり、植物性で作られた植物性代替肉と、動物の細胞を培養して作られた培養肉があります。

最近よく聞くようになった「プラントベース」という言葉は植物由来の製品を指し、植物性代替肉のことをプラントベースミートと呼んだりします。

培養肉に関してはまだ開発段階と言えるような状況で、未だ市場に出回っている商品も多くありません。

しかし、プラントベース代替肉は環境問題やヴィーガンの流行に伴い、アメリカやヨーロッパでは市場が拡大してきています。今回の記事ではプラントベース代替肉について考えていきたいと思います。

なぜプラントベース代替肉が拡大してきているのか

ネクストミーツのお試しパック買いました。

主に環境問題が理由にあります。

畜産が環境に与える負荷が甚大であることが近年分かってきました。特に温室効果ガスの排出量がとても多いこと、また畜産を飼育するためにかなりの土地と水を必要とすることが研究から分かっています。
地球温暖化や気候変動、そして水問題。
あげればきりがないとも思えるほどに環境問題と関係の深い畜産ですが、人口の増加とともに食用肉の需要は今後も拡大し続けることが予想されています。

このままでは畜産による環境負荷は増えるばかりです。それを解決すべく開発されたのがプラントベース代替肉です。

Another found that compared to beef burgers, plant-based burgers were associated with up to 98% less greenhouse gas emissions.
The report authors suggest that plant-based products generally require much less agricultural land, need less water and cause less pollution than animal products.
また、ビーフバーガーと比較して、植物由来のハンバーガーは温室効果ガスの排出を最大98%削減することがわかりました。
植物由来の製品は、動物由来の製品に比べ、農地や水の使用量が少なく、汚染も少ないと報告されています。

https://www.sciencedaily.com/releases/2022/07/220729173204.htm#:~:text=Another%20found%20that%20compared%20to,less%20pollution%20than%20animal%20products.

このようにプラントベース代替肉は畜産の肉と比較して、環境に与える負荷がかなり少ないことが分かっています。環境問題への関心が高まるに伴い、プラントベース代替肉の流行も広まってきているように思います。

プラントベース代替肉はおいしいのか

海外でもたくさんプラントベース肉を試してきました。

プラントベース代替肉が環境に優しそうなことは分かりました。
では、はたしてプラントベース代替肉はおいしいのでしょうか。肉の代替食品となれるのでしょうか。

僕は海外でも日本でも多くのプラントベース代替肉を試してきましたが、結論から言うとおいしいです。
おいしいですが、肉の美味しさに敵うかというとそうではないのが正直な現状だと思っています。

お店や商品によっては「言われなければプラントベースだとわからないほど」肉っぽくて美味しいものもあります。しかし、全体的に評価するとまだ「肉」として代替するには満足できない人が多いという感想を持ちました。

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アスリートとして栄養の観点からのプラントベース代替肉

これもプラントベースです。

プラントベース代替肉の環境的な魅力、そして美味しく食べられることも分かりました。またプラントベース肉はタンパク質が動物肉とほぼ変わらない量含まれていて、アスリートのタンパク質摂取の観点では非常にありがたい食材になっています。
しかし、ベジタリアンアスリートとして僕が抱いた感想はこうです。

「植物でこんなにも美味しく肉っぽさを再現するには、それなりの化学調味料などが使われているのではないだろうか」

本当に美味しいんですが、美味しいがゆえに植物性で動物肉を再現していることに不信感のような疑問をいだき始めました。僕はベジタリアンアスリートとして自分なりに健康にも気を使い、そのために選ぶ食材もオーガニック食品が増えてきています。
タンパク質だけでなくもう少し広い観点から考えた時に、プラントベース代替肉はアスリートにとって良い食材と言えるのか。アスリートとして摂取すべきなのか。こんなことが気になったので調べてみました。

今回参考にした記事はこちらです。
※今回の記事はプラントベース肉の先駆者と言えるビヨンドミート社インポッシブル・フード社の製品を調べた研究をもとに語られています。もしかしたら以下に当てはまらないプラントベース肉もあるかもしれませんのでご理解ください。

CTS
Plant-Based Meat: What Athletes Need to Know Plant-based meat is here. Find out what it is, how it compares nutritionally to beef, how to cook it (incl. taco recipe!), and how it might save the planet.
(調べてもなかなか出てこなかったけどこの記事だけはドンピシャで僕が知りたいことが書かれてた)

多くの加工と化学調味料の使用

ビヨンド・ミートとインポッシブル・フーズ製品の栄養表示を見ると、全食品(牛肉)の代わりに、ラベルに記載されている原材料が肉とは思えないほど高度に加工された食品を使おうとしている皮肉を無視することはできないだろう。

(別文)両社とも、肉の製造に膨大な化学薬品、技術、加工を駆使しているのだ。

https://trainright.com/plant-based-meat-athletes/

まずは僕の予想通り植物で肉を再現するために多くの加工が施されていたり、化学調品も使用されていることが分かります。なぜ加工や化学品が良くないかというと、僕の解釈では以下のようなものがあります。

・老化が早まる
・がんのリスクが高まる
・性機能の低下

などなどがあり、具体的には把握していないのですが健康本を読んでいると、化学品や加工食品に対して良くない情報が多いためあまり摂らない心がけをしています。

遺伝子組み換えを行っている

そこでインポッシブル・フードは、大豆のレグヘモグロビンを作り出すDNAを酵母に挿入し、遺伝子組み換えを行った。酵母は素早く成長し、複製されるため、大豆畑よりもはるかに少ない資源とスペースで生産することができます。

(別文)同様に、遺伝子組み換え食品に問題がある人は、大豆のDNAを酵母に注入して作られたヘムを摂取することに、おそらくあまり興奮しないでしょう。

https://trainright.com/plant-based-meat-athletes/

次にプラントベース肉の先駆者とも言えるインポッシブル・フード社は、植物で肉の味や香りを再現するために「ヘム」を使用しています。

しかし、植物から取れるヘムだけでは不十分なことから大量のヘモグロビンを生産するために遺伝子組み換えを行っているみたいです。

遺伝子組み換えに関しては僕も詳しくないのですが、遺伝子組み換えに反対をしている人からすれば受け入れ難い事実だと言えます。なぜ遺伝子組み換えが議論を醸すかというと、自然の生態系を壊す可能性や、健康被害につながる可能性があるからだそうです。

これもプラントベースです。

コレステロールを含まないココナッツオイルの使用

これまでは健康的にあまり良くない側面を紹介してきましたが、プラントベース肉には健康的なメリットもあるみたいです。

植物由来の肉製品には、ココナッツオイルを使用しているため、飽和脂肪酸が2倍含まれていますが、コレステロールは主に動物性食品に含まれているため、コレステロールは含まれていません。

https://trainright.com/plant-based-meat-athletes/

まずは脂質についてですが、プラントベース肉もなるべく動物肉を再現するために動物肉の脂質比とおなじになるようにしてあります。しかし、動物肉との違いは油にココナッツオイルを使用していることです。

ココナッツオイルはコレステロールを含まないため、太りにくいプラントベース肉が出来上がります。

栄養バランスは動物肉と同等、もしくはそれ以上かも

栄養密度と組成の観点から見ると、Beyond MeatとImpossible Foodsの現行製品は、牛肉の栄養プロファイルをかなりよく再現している。

https://trainright.com/plant-based-meat-athletes/

また栄養面を全体で比較してみても、動物肉に劣らない栄養バランスと言えるようです。

加工や化学品のデメリットはあれど、豊富なタンパク質やコレステロールを含まないこと、そして動物肉と比較しても劣らない栄養バランスであることが分かりました。よく菜食主義と肉食の話で話題に出るビタミン12についての記述はありませんでした。ビタミン12は動物性たんぱく質から摂取できないと言われる栄養です。

結局は何を大切にして食事を選択するか

このプラントベースベーコンはベーコン過ぎて感動した。

プラントベース代替肉について調べてみたところ、健康的な面から考えるとメリットもデメリットもあることが分かりました。このことから僕は、結局その人が何を大切にして食事を選択するかでプラントベース代替肉の是非が決まるかなと考えました。

例えば、動物愛護の倫理的観点からヴィーガンを採用している人にとってはプラントベース肉は良い食材となり得るし、遺伝子組み換え技術に反対の立場である人からすれば受け入れがたい食材だと思います。
ベジタリアンだけど肉を食べたいと思う人にとってはプラントベース肉はとても良い商品だと思うし、べつに肉を食べたいと思わない菜食主義者の人は無理してプラントベース肉を食べる必要は全く無いように思いました。
病気やがん予防の健康的な観点から考えればプラントベースの化学品は無視できないように思いますし、一方で環境問題の観点から菜食を指示している人にとっては環境に優しい肉としてありがたい食材であると思います。

「結局、なにをもって食事を選択するのか。」
プラントベース肉の是非はそれ次第であると思っています。

ベジタリアンアスリートとして僕はどうするのか

プラントベースのケバブ。過去最高でした。

僕はベジタリアン生活をしていて肉を食べたいと思うことはそこまで多くありません。
なので、わざわざプラントベース肉を買って肉料理を作りたいと思うこともほとんどありません。
ですが、僕は今後もプラントベース代替肉を使用していきたいと思います。

その理由はまずプラントベース代替肉は、タンパク質の摂取源としてとても優れた食材だからです。先に記述したようにプラントベース肉は動物肉に劣らないタンパク質量を含んでいます。商品によっては100gあたり20gを超えるものもあります。
ベジタリアンになって栄養についての勉強はしているものの、僕の今のレベルではタンパク質と野菜の量にこだわるのが精一杯です。そんなこともあって今はアスリートしてタンパク質の摂取量には気を使っているので、タンパク質の摂取源としてプラントベース肉を重宝しています。

また日本人として白米を愛すものとしてプラントベース肉は、白ごはんに合うおかずとして大活躍するのも理由の一つです。

先日、興味深い記事を発見しましたので共有させてください。

WIRED.jp
代替肉の普及を阻むのは「牛肉」ではなかった? 米国での購買データが浮き彫りにした意外な“壁” コロナ禍で代替肉の市場は急成長を遂げたが、一般家庭の食卓に定着しないまま熱気が冷めつつある。こうしたなか小売店での購買データの分析結果からは、普及を阻む意外な“...

この記事で言われていたことは、「代替肉を買っている多くの人は代替肉に肉としての役割を求めていない」ことが書かれていました。
つまり肉を食べたくてプラントベース肉を購入しているのではなく、タンパク質源としてや新たなおかずの一品としてプラントベース肉を購入している人が多いみたいです。このデータには僕も賛成だし、まさにタンパク質とおかずとしてプラントベース肉を使用しています。

またこの記事の結果から分かることは、「プラントベース肉は菜食主義者のための食材ではない」ということです。ですが一般的にはプラントベース肉といえばヴィーガンやベジタリアンのための食べ物という認識が広まっていると思います。僕個人的には動物肉を食べている人々にもプラントベース肉をトライしてもらえると面白いだろうと思っています。

最後の理由としては、日本に帰国してから友人(ベジタリアンではない)との外食がむずかしいと感じています。
僕が想像していた以上に、レストランや居酒屋にベジタリアンメニューは用意されておらず食べられるものがないという状況に度々直面します。そんな時に、ベジタリアンの人への選択肢としてプラントベース代替肉をメニューに用意してもらえたら多くの人が生きやすい世の中になると感じています。プラントベース肉の選択肢が用意されるとベジタリアンの僕からすると純粋にありがたいです。少しでもプラントベース肉が普及してくれたらという願いも込めて、僕はプラントベース肉を食べるし、食べたらTwitterなどで発信していくようにしています。

最後に僕は健康的な観点だけでなく環境問題の観点からベジタリアンを支持しています。
現時点での科学的な研究結果から判断すると、畜産が環境に与えている負荷は大きいし、菜食主義のほうが負荷が少ないことは事実であると思います。そんなことから化学品などの細かい栄養素は今は目をつむりタンパク質というメリットに着目して必要であればプラントベース肉を活用していきたいと思います。

今回調べて再確認出来たのですが、プラントベース代替肉の市場は世界でまだまだ大きくなりそうだし、日本でも普及できる余地はたくさんあると思っています。僕自身が商品を持って普及させていくことは出来ませんが、いま世の中にあるプラントベース肉を試して発信していくことで菜食主義ではない方にも興味をもってもらえるように活動していきたいと思います。Twitterではベジタリアンアスリートとしての日々の食事や勉強したこと、意見を発信していますのでフォローよろしくおねがいします。使用したプラントベース肉についての感想などもTwitterにて発信していますのでぜひ。

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この記事を書いた人

Vegetarian x Athlete.
Football player in Australia(NPL South Australia).
Interested in Environment issues.

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