植物性ミルクの魅力について。<環境負荷とタンパク質量で比較>

なにを重視してミルクを選ぶか

近年、世界的にヴィーガンブームとともに植物性ミルクが流行してきているように思います。
僕が住んでいるニュージーランドやオーストラリアでもスーパーに行けばたくさんの種類の植物性ミルクを買うことが出来るし、カフェでも植物性ミルクで注文する人がとても多かったです(カフェで2年近く働いていました)。

なぜ植物性ミルクがこんなにも流行しているかと言うと、間違いなく環境面が一番多いと思います。
牛乳と比べ植物性ミルクは環境への負荷がとても少ないと言われています。

では、「どの植物性ミルクが最も環境に優しい」のでしょうか。

これが僕には分かりませんでした。

ですので、今回はそれぞれの植物性ミルクが環境に与える負荷を比較するとともに、ベジタリアンアスリートとしてタンパク質量に着目して比較していきたいと思います。

それぞれの植物性ミルクの環境への負荷

それぞれの植物性ミルクのタンパク質量

あえて、タンパク質と環境への負荷のみにフォーカスして考えていきます。あえてです。
この2つに特化することで環境問題に関心のあるアスリートが気持ちよく使えるミルクを探していきたいと思います。

目次

牛乳のメリット・デメリット

週に一回は自然の中を彷徨っています。

メリット

栄養が豊富なことです。
コップ一杯(200ml)で6.6gのタンパク質を含んでいます。

他にも多くのビタミンを含み、特にビタミンB2B12が豊富です。

そして牛乳の代名詞であるカルシウムが豊富です。

デメリット

牛乳は高カロリーなので太りやすいです。アスリートはあまり気にしないかもしれませんが。

乳糖不耐症の人は栄養が吸収できていない可能性があります。それどころか内蔵に負担がかかっていたり健康に被害を与えている可能性もあります。

日本人には乳糖不耐症の割合が多いらしいので気をつけてみる価値はあるかもしれません。

そして、いま問題視されているのは環境への負荷が大きいということです。

畜産が環境に与える影響は甚大で、世界中の温室ガスの排出量の51%を畜産が占めているようです。

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それぞれの植物性ミルクのタンパク質量を比較

オーストラリアのスーパーでのミルクコーナー。

アスリートの人がまず気にするのはタンパク質量だと思います。

特にヴィーガンやベジタリアンのアスリートは動物性食品で補っていたタンパク質を植物性の食品から摂取する必要があります。
これは簡単なことではないと、僕は痛感しています。

タンパク質を豊富に含んでいる牛乳をやめるのであれば、少しでもタンパク質の多い植物性ミルクを選びたいです。

ですので、それぞれのタンパク質量を調べてみました。

それぞれの植物性ミルクのタンパク質量(https://www.fatsecret.com.au/より)

やはりどのミルクも牛乳と比較するとタンパク質量が低いことが分かります。
ですが、ソイミルクは4.64gものタンパク質を含んでいるのでアスリートのプロテイン摂取には適しているように思います。

ソイミルクの懸念点としては消化・吸収がゆっくりであることだと思います。
これはプロテインパウダーを語る時に触れられますが、牛乳由来のホエイと比べてソイは吸収が遅く、トレーニング前後の摂取には向いていないとも言われます。

僕個人的にはソイミルクは甘さが強いので、プロテインパウダーとの摂取やスムージーには向いていないように思います。ソイミルクはコップに入れてそのまま飲むようにしています。

次にタンパク質が多かったのがオートミルクです。2.1gと決して多いとは言えませんがライスミルク、アーモンドミルクに比べるとタンパク質も摂取できることが分かります。
個人的にはオートミルクの味わいは好きでクリーミーですが甘すぎないので、朝のプロテインスムージーに使用しています。

ほかの詳しい栄養素についてはこちらの記事を参考にすると良いと思います。とても詳しくまとめられています。

サステラ
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どの植物性ミルクが1番環境に良いのか

タンパク質の観点からみると、ソイミルクとオートミルクがアスリートにはおすすめできそうな気がしてきました。ですが、環境への負荷はどうなのでしょうか。
ヴィーガンアスリートの方は健康だけでなく、環境への関心がとても高いように思うので気になるところだと思います。

https://ourworldindata.org/environmental-impact-milks

図から分かることを整理していきます。

〈用語〉
Land use :土地
Greenhouse gas emissions :温室効果ガス
Freshwater use :水
Eutriphication :”富栄養化
(ふえいようか、英語:Eutrophication、とは、海・湖沼・河川などの水域が、貧栄養状態から富栄養状態へと移行する現象を言う。富栄養化がすすんだ過栄養状態の水域では、赤潮や青潮などの現象を二次的に引き起こす為、富栄養化は公害や環境問題として広く認識されている。”−wikipediaより−

まず冒頭でも紹介したとおり、牛乳が環境に与える影響はどの観点から見てもずば抜けて高いことが分かります。

ほかの植物性ミルクに焦点を当てると、それぞれ与えている環境への負荷が異なることが分かります。
どういうことかと言うと、「一概にこの植物性ミルクが1番環境に良いとは言えない」ということです。

例えばこのサイトで言及されていることは大豆の栽培が与えるアマゾンへの影響です。

Our World in Data
Dairy vs. plant-based milk: what are the environmental impacts? A growing number of people are interested in switching to plant-based alternatives to dairy. But are they better for the environment, and which is best?

豆乳などの代替品に関する最大の懸念は、アマゾン地域の森林伐採を促進することです。確かに大豆の需要の高まりは、ブラジルの土地利用を変化させる要因の一つとなっています。しかし、最も大きな要因は牛肉生産用の牧草地です。

https://ourworldindata.org/environmental-impact-milks

たしかに大豆がアマゾンの森に与える影響は大きいですが、その栽培の多くは結局畜産のために使われているということです。
畜産に与える肥料のために世界で栽培されている大豆の4分の3以上が使われていると言われています。

他に特徴的なのはアーモンドミルクの水の必要量です。
栽培に必要な土地や温室効果ガスの排出も少ないアーモンドミルクですが、水だけは大量に必要とすることが分かります。
アメリカのカリフォルニア州では一粒のアーモンドを生産するのに12Lもの水が必要とされます。

ということで結論を述べると「どの植物性ミルクが1番環境に良いかは一概に語ることはできない」ということです。

まとめ

野生のコアラ発見。寝てた。

今回は植物性ミルクについてアスリートの目線から調べてみました。

要点をまとめると、

タンパク質を多く含んでいるのはソイミルク。
次にオートミルク。
アーモンドミルクとライスミルクはタンパク質をほとんど含んでいない。

どの植物性ミルクが1番環境に良いかは一概に語ることが出来ない
→それぞれ環境に与えている負荷の種類が異なるため

実を言うと、僕はどこかで「植物性ミルクのなかではアーモンドミルクが環境負荷が大きい」ということを聞いたことがありました。
しかし、今回調べてみて、その言葉は正確には「水を大量に必要とする」ということで、「アーモンドミルクが他の植物性ミルクより環境負荷が大きいという訳ではない」事実を知ることが出来ました。

ひとつだけハッキリしたことは、牛乳がどの観点から見ても環境への負荷が一番大きいということでした。

ですので、植物性ミルクを環境負荷の面から選ぶ時には「自分がどの環境負荷を気にしているか」から選べば、気持ちよく植物性ミルクを使用できると思います。

結論として、
アスリートとしてタンパク質の多い植物性ミルクを選びたいのであれば「ソイミルク」or「オートミルク」をおすすめしたいと思います。

僕個人的にもこの2つを使用していて、飽きることなく、健康的な問題もなく生活できています。

環境問題が深刻な現代社会ですので、味だけでなく、環境面や健康に配慮して選択することが大事になってくるでしょう。

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この記事を書いた人

Vegetarian x Athlete.
Football player in Australia(NPL South Australia).
Interested in Environment issues.

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