アスリートである僕がベジタリアンであり続けるための3本の柱

2021年の8月から始めたベジタリアン生活も今は、11ヶ月目。
実はその前にも一度チャレンジしたことがあってその時は3ヶ月ほどで挫折をしています。なんの知識もないままはじめ、勢いで肉や魚を食生活から断ちましたが、体重は3キロほど減少してしまいました。

気持ち的にも中途半端に取り組んでいたので、レストランなどで誘惑に負けてステーキを食べたり、遠征時にも食べるものがなくてよく肉の入った食べ物を食べていました。

そんなこんなで、ぐだぐだになり「ベジタリアンである必要ないな」と感じ、通常の食生活に戻しました。

「そんな私がなぜまたベジタリアンの食生活に再びトライしているのか。」

「アスリートなのにわざわざベジタリアンになる必要があるのか。」

「きっかけは何だったのか。」

こんなことを今回は話していきたいと思います。

目次

きっかけは「The game changers」

「なんでベジタリアンを始めようと思ったの?」

こう聞かれたら、「The game changers」を見て影響を受けたからと答えると思います。

「The game changers」はNetflixにあるドキュメンタリー映画で、菜食主義のアスリートが食生活を変えたことによってパフォーマンスを向上させていることを取り上げています。

ここで僕は、ベジタリアンやヴィーガンになることがアスリートにとってプラスに働くという衝撃の事実を目の当たりにしました。

ここでのインパクトが一つと、もう一つはかねてから関心のあった環境問題の面からです。
僕は半年間の働けない期間(無職・無給生活)に膨大な本を読み漁り、そこで地球は環境問題というとてつもない問題を抱えていることを知りました。

本と同時に、これもまたNetflixにあるドキュメンタリー映画「Cow spiracy」「Sea spiracy」を見てどうやら畜産や水産が地球環境に悪影響を及ぼしていることを知りました。

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アスリートとしてパフォーマンス向上に繋がるかもしれない菜食生活

・肉や魚を食べることが環境問題を悪化させている

という事実をダブルで知った僕は、勢いで再びベジタリアンになることを決意しました。

なぜアスリートなのにベジタリアンを続けられるのか

家の近くの大自然公園

とはいっても、勢いだけでベジタリアンやヴィーガンの食生活を続けることは厳しいということを一度目の失敗から僕は学んでいます。

そんな僕がベジタリアン生活を続けていく上で大切にしている3本の柱を紹介していきます。これらがあることで、簡単には挫折せずにモチベーション高く続けられていると思っています。

パフォーマンスの向上のため

アスリートとしてパフォーマンスの向上を目的に、ベジタリアンの食生活を始めました。

先ほど述べた「The game changers」でも言われている通り、ベジタリアンやヴィーガンはアスリートにとって良い働きをするという意見があります。

なぜ菜食がアスリートのパフォーマンスを向上させるかというと、主に

・リカバリーが早くなる

・怪我の減少

この2つが挙げられます。

たしかにリカバリーが早くなればそれだけトレーニングを多くできるし、怪我をしていては自分のパフォーマンスを十分に発揮できないので、この2つが本当であればパフォーマンスの向上に繋がってきそうです。

「怪我も減って、リカバリーが早くなるなら」

そこに可能性があるならまずはトライしてみたくなるのがアスリートの性で、僕も自分の体に合うのか興味津々ではじめてみることにしました。

ちなみにですが、どこかの研究結果を見たのですが、現段階では「菜食主義がパフォーマンスを向上させる」という正式な根拠やデータはないみたいです。
あくまで、ベジタリアンやヴィーガンに食生活を変えたアスリートが、「ヴィーガンになってからパフォーマンスが上がった」と感じてる声があるだけです。

ただその逆もまだ明らかになっておらず、「アスリートにとって菜食は悪だ」というデータも今はありません。ですので、自分自身でトライしてどう感じるのかを頼りにするしかないのが現状です。

とはいえ、少し話はそれますがパフォーマンスだけではなく健康の面からも僕はベジタリアンを支持しています。
こちらに関しては科学が明らかにしていることも多く、WHOも野菜中心の食生活が健康に良いことを認めていたり、肉を食べることによって発がん率が上昇することも分かっています。

競技をしていようがいまいが、健康であることは人生においてとても大切だと考えています。
メンタルにも良いし、病気などにかかればお金もかかってきます。
これはある種ひとつの投資だと思って将来も健康でいられるための食生活としてベジタリアンを僕は採用しています。

環境問題の面から

2つ目の僕のモチベーションは環境問題からです。

環境問題について本を読んだり勉強をしていくうちに、僕も何かしらの行動を起こしたいと思うようになりました。とはいっても、環境問題は地球全体の問題だから話が大きすぎて、何が正しいのか上手く整理できない状況が続きました。
今でも大半の部分は上手く理解できていません。

ですが、どうやら「畜産が環境破壊に与えている影響はやばいらしいぞ」ということは僕の中で間違いないものになってきました。難しいことはわかりませんが、畜産が与えている影響については科学的に証明されています。

https://www.cowspiracy.com/infographic

・世界中の温室効果ガス排出量の割合

輸送業(車、飛行機、船など)13%

畜産業 51%


・一人当たりのcarbon footprint (炭素使用量)

肉を食べる人に比べ菜食主義者は50%までカットできる


・亜酸化窒素の排出量

畜産業が65%占める

なお亜酸化窒素は二酸化炭素の296倍有害な温室効果ガスである

https://www.taguchitagu.com/cowspiracy/

Q、人類が全員ヴィーガンになれば環境問題は解決するのですか

よくこういった質問が飛び交っているし、日本の著名人がこの質問に対して反対して論破しているのも見たことがあります。

こういった質問に対する僕のスタンスはこうです。
「全員」がとか、「ヴィーガン」になるべきという0or 100の話をするのではなくて、なるべく人類が肉を食べる量を減らして、畜産が環境に与える影響を少なくする流れをつくるべきだと考えています。

人類がそういった方向にゆっくりでも進めばいいと考えているのですが、温暖化は深刻でゆっくりなんて言ってる場合じゃないというのが現実だとも思います。それが今のヴィーガンムーブメントと、それに対する偏見というか反対意見も強いのはこれが理由かと思います。

とにかく僕も環境問題に何かしらで貢献したいとは考えていて、それに一番手っ取り早い手段がベジタリアンになるということでした。

自分の信念に基づいて行動するということはメンタルにも良いし、確実にこの「環境問題に対してベジタリアン」という考え方は、ベジタリアンを続けるモチベーションの一つになっています。

倫理の面から

野生のカンガルー。きっと夫婦

これは僕がベジタリアン×アスリートについて発信をしていく上で、なるべく触れないようにしている点です。ですが、ここも一つのモチベーションになっていることは事実ですのでここには記しておきます。

僕は動物愛護・倫理の観点からも肉や魚を食べないベジタリアンやヴィーガンを支持しています。

きっかけとしては、以前に読んだ「サピエンス全史」にて著者のユヴァル・ノア・ハラリさんが畜産業界の現実を取り上げていました。そこには食用肉になるための豚が身動きがぎりぎりできるほどの小さいケージで無理矢理に肥やされている写真もありました。

普通に考えれば誰もが知っていることなのですが、スーパーで売られている状態しか見ない私達にはいつの間にか知らない現実のものになっていました。

そしていざ、ベジタリアン生活を始めてみると、スーパーで大量に売られている肉製品や、赤一色の精肉屋さんが少しばかり気持ち悪くなってきたのが正直な気持ちです。

しかも、そのお肉たちはびっくりするくらい安い価格で売られ、時には人に食べられることなく捨てられてしまいます。
命であったにも関わらずです。

そんなことを考えると僕にとってはベジタリアンでいることのほうがよっぽど心地が良いのです。

ですが、はっきり言っておきますが僕は肉を食べるなとも言わないし、それがおかしいと言うつもりはありません。今後ぼくも250%お肉屋魚を食べるでしょう。

生き物として生きていくために他の生物を食らうことは自然の摂理ですし、当たり前のことでそれを否定するつもりもありません。

ですが、われわれが生きる、ヒトの世界の産業は少しおかしいと違和感を感じています。我々は動物の命をビジネスに巻き込みすぎたように思います。

そんな産業の歪みを少しでも正せるように、菜食の人が増え、倫理から外れた畜産や水産業界が緩和されれば良いと考えています。

ではなぜお前はヴィーガンにならないのか

そうですよね。これまで散々環境問題とか、動物を食べたくないとか言っていますが僕はまだ卵は食べています。卵もれっきとした生物の源であるにも関わらずです。

そこがアスリートとしても、一人間としても整合を取ることが難しいところだと感じています。やはり、現状完全菜食の食生活だけでは十分なタンパク質を摂取できていないのが現状です。まだまだ、卵の栄養に頼りまくっています。

それに加えて、調べによると「いきなりヴィーガンになることは、かえって体に悪い」という話もありますので、まずはベジタリアンからという状況です。

また、チーズは大好物であり、植物性の代替肉などたくさんのものが開発されていますが、まだまだ植物性のチーズは開発段階だと感じています。

食べたいものはやっぱり食べたいし、食でストレスを感じて、メンタル面が不健康になったら本末転倒です。などと考えて、自分なりに折り合いをつけてのベジタリアン生活になっています。

ですが、僕自身やはりヴィーガンにはまだまだ興味がありますし目指していきたいと考えていますので、それはここに記しておきます。

まとめ

この言葉は染みた。アートだね

以上がアスリートである僕がベジタリアンを続けていく上で大切にしている3つの考え方です。

僕自身アスリートとしてそれなりに食生活にこだわっているつもりですが、完璧に管理できているわけではありません。時には肉や魚を食べたいと思うことも多々あります。なぜならもともと焼肉など大好きな人間だったからです。

それでも目の前にある肉を我慢し、ベジタリアンでい続けられるにはこの3本の柱があるからです。3本の矢があるからこそ折れずにトライし続けられています。

ですので、もし、ベジタリアンやヴィーガンにチャレンジしてるけどモチベーションを保つことが難しい方。菜食や食生活に限らず、なにかにチャレンジしていく上でモチベーションを保つことが難しくなったときには、その理由を深く突き詰めることが良いと思います。

なにかの本で「短期的な目標よりも、アイデンティティや信念からくるモチベーションのほうが強固である」と書いてありました。意識していませんでしたが、今回の僕はまさにそれでした。

少し余談ですが、僕が思うにベジタリアンやヴィーガンに対する関心が芽生えたのは自分が海外にいるからだとも感じています。今の日本がどうか分かりませんが、確実にベジタリアンやヴィーガンに対する距離はニュージーランドやオーストラリアのほうが近いと僕は感じました。

それでも、まだベジタリアンはマイノリティだと思っているし、アスリートにとっては更に障壁が高いエリアだと思います。

だからこそ僕は面白いと感じているし、体が資本であるアスリートが菜食を受け入れるということは社会に与えるインパクトも大きいように思います。アスリートがベジタリアンやヴィーガンになれるなら、他の人達にもできるという勇気を与えられるかもしれません。

そう考えれば、僕が今取り組んでいることも意義が大きいように思います。

とにかく僕は今はベジタリアンをしていて楽しいし、まだまだ勉強していきたいと思いますので、この体で体験してすべてを発信していきたいと思います。

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この記事を書いた人

Vegetarian x Athlete.
Football player in Australia(NPL South Australia).
Interested in Environment issues.

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