「一番大切なことは、まず耳を傾けることだ」
先日、3年ぶりに帰国して実家に帰っていました。僕の本棚に並ぶ大量の漫画と本のなかで、僕が一番初めに手に取ったのはこの本でした。
3年前にブックオフで買ったジョコビッチ選手の食事についての本。当時、ヴィーガンという言葉はもちろん、グルテンフリーについて何も知らなかった僕にとって、グルテンフリーの魅力について書かれたこの本は革新的なものでした。
しかし、今回3年ぶりに読んでみて、3年前に読んだときよりも100倍面白い本だと思いました。
なぜ3年前よりも面白くなったのか。
それは僕の栄養に関する知識が増えたことによって、理解できる情報の深さが増えたからだと思います。
この3年間でいつの間にか僕はベジタリアンになり、特にこの半年間はアスリートとしてパフォーマンスを向上するために食事や栄養についての勉強をたくさんしました。ベジタリアンとして読むこの本はとても興味深いものでした。
そこで今回はジョコビッチ選手のこの本を紹介するとともに、ベジタリアンアスリートの僕がどんなところを面白いと思えるようになったのかについて書いていきたいと思います。
ワクチン問題で批判を受けることも多いジョコビッチ選手ですが、この記事を通して「なぜ彼がワクチンを打たない決断をしているのか」少しでも理解してもらえればと思います。
本について

この本はジョコビッチ選手による、グルテンフリーの魅力について書かれた本です。数々のグランドスラムを制覇するジョコビッチ選手が、いかにして世界一のテニスプレイヤーになったのか。そこには食事という秘密がありました。
試合中に突然の痙攣や疲労感に襲われることの多かったジョコビッチ選手ですが、医者の診断によりグルテン不耐症だということが分かりました。それから、グルテンを除く食事(グルテンフリー)に取り組み始めたところ、みるみるうちに体に良い変化が起こりはじめました。
具体的には
・鼻水等のアレルギー症状がなくなる
・吹き出物がなくなる
・体重は減って、動きが軽くなる
・試合中にパワーが出る
・疲労回復が早くなる
と多岐に渡ります。
この本ではジョコビッチ選手がグルテンフリーを取り入れるきっかけから始まり、実際の食事メニューや意識していることも紹介されています。特に、一週間の食事や1日の食事のとり方も紹介されており、トップアスリートの食事としてとても興味がそそられるものでした。
三年前の僕にはむずかしすぎた

3年前の僕はグルテンフリーという言葉を知らない状態でこの本を手に取りました。
知識はなくとも健康やサッカーの体作りという面で、僕は読んでいてとても面白かった印象を覚えてます。しかしながら、この本を読んだことによって僕の食生活が変わることはありませんでした。
その理由は、「自分にはむずかしすぎる」と感じたからです。
・ジョコビッチ選手はお金があるから、グルテンフリーにも取り組みやすい
・パスタといった小麦製品を食べないなんて不可能
などと否定的な理由を並べ、終いには「自分はグルテン不耐症ではないから大丈夫だろう」と決めつけて、グルテンフリーにチャレンジすることはありませんでした。
グルテンフリーを取り入れることはありませんでしたが、この本を読んで面白いと思えたことは事実です。3年前の僕が面白いと思えたことは、当たり前に食べていた小麦が体にとって良くないということです。また、朝起きてからまず常温の水を飲んだほうが良いことや、はちみつを当分摂取として食べると良いことを知りました。
しかしながら、それらの行動が「なぜ」体に良いのか、そのメカニズムを理解することは出来ていなかったのが3年前の僕でした。
今は面白いと思える情報が深くなった

3年ぶりにベジタリアンアスリートとして読んだ僕が、今回はどんな点を面白いと思えたのか書いていきます。
1,水の取り方について

3年前の僕は、とりあえず朝起きたら常温の水を飲むと良いということを知りました。
しかし、今回は常温であるべき理由について注目出来ました。
僕らのようなアスリートにとって、消化をなるべく早くしてできるだけ多くのエネルギーを運動のために保存しておくことが大切になります。消化にもエネルギーを必要とするため、消化は早いほうが良いとされています。
ここからが今回の勉強ポイントになります。
消化には血液が必要である。私が試合をしているときには、まさにこの血液が必要なのだ。もし消化システムがさらに向上し、かつ速くなれば、より早く肉体的活動に戻れ、この肉体活動においてさらなるパワーを発揮できる(ちなみにこれが、つえづね私が氷水ではなく室温の水を飲む理由だ。氷水は消化システムを冷やし、これを体温に戻すために血液が使われてしまう。これにより消化システムが遅くなる)。
ジョコビッチの生まれ変わる食事
ベジタリアンとして消化について勉強をしていたことによって、今回は消化のために血液が大切であるということまで理解できるようになりました。あたり前のことながら、ここまでのことを全て自分の頭で理解して、取り組んでいるジョコビッチ選手は流石だなと思いました。
2,小麦と血糖値の関係について

この半年間、僕はアスリートとしてパフォーマンスを上げるために栄養と食事について勉強をしました(すべて独学ですが)。今でもパスタを愛していることもあって、小麦についてはそこまで詳しくなりませんでしたが、それで「どうやら小麦が体に良くないらしい」ということは知っていました。
今回この本を読んでみて理解したことは、血糖値を一日中安定したレベルに保つことの大切さです。
砂糖が体に良くないことは世間的に有名であり、僕も基本的には摂取することはないのですが、時々甘いものを食べたくなるときがあります。しかも厄介なことは砂糖の中毒性です。たとえ久しぶりであったとしても、菓子パンのような砂糖を摂取すると、次の日もその次の日も甘いものを食べたくなってしまいます。僕はこの現象に頭を悩ませていました。
しかし、どうやら血糖値を安定に保つ(砂糖など急激に血糖値を上昇させる食べ物を食べない)ことで、糖分中毒が解決されることが分かりました。
3,食事の取り方について

ジョコビッチ選手は食事(もっと言えば口にする全ての食べ物)に意味を持たせています。
私たちの肉体は、食事を主に2つの目的に使う。1つ目は足を動かし続ける、心臓の鼓動を続けさせる、ラケットを振るといった活動のエネルギー源としてだ。炭水化物が私たちの日常活動における主なエネルギー源である。
ジョコビッチの生まれ変わる食事
2つ目は、治癒と回復だ。長い練習であれ、オフィスにおける長時間労働であれ、一日にもたらされたダメージの修復だ。私たちの肉体は筋肉の修復、新しい血液細胞の組成、ホルモンの再分泌などの際にタンパク質(及び他の栄養素)を活用する。
具体的にはジョコビッチ選手は
朝食はパワーボウルと名付けた炭水化物と糖質(果糖)を中心とした食事。
昼食はトレーニングに必要なエネルギーのためにグルテンフリーパスタで炭水化物を摂取。
夕食はタンパク質中心のリカバリー食事。(エネルギーはもう必要ないため炭水化物は少なめ)
といった具合で分けているようです。
特に驚きだったのは、朝食の摂り方です。パワーボウルをメインで食べているのですが、それでも少なかった時は20分後にタンパク質多めの食事を摂取するようです。炭水化物とタンパク質を同時に摂取するのではなく、まず炭水化物から摂取することによって消化の負担を減らすことに関係があるようです。この点は非常に勉強になりました。
オープンマインドについて

この本でジョコビッチ選手はこんなメッセージを残していました。
「一番大切なことは、まず耳を傾けることだ」
三年前はグルテンフリーが遠すぎる存在で、この本を読んだからといって僕は食生活を何も変えることが出来ませんでした。しかし、今の僕はグルテンフリーの食生活に興味があり、実際にグルテンフリーについての理解をもっと深めようとしています。
この3年間で僕に起きた変化。
それは一年前からベジタリアンになったことです。
そして僕がベジタリアンに挑戦できた理由こそがオープンマインドでした。
肉や魚が大好物だったし、肉を食べない生活は3年前の僕には到底想像が出来なかったです。しかし、海外で生活していく上で必要だった「多様な価値観を受け入れる姿勢」がベジタリアンに対しても前向きになることができ、ベジタリアンへの一歩を踏み出すことに繋がりました。今の僕はベジタリアンになってすごく調子が良いし、チャレンジしてよかったと思っています。そう思えることも全てはオープンマインドでとりあえずやってみようという姿勢になれたからだと思っています。
もちろん今の僕はパスタやパンを食べられない生活は到底無理に思えています。しかし、それと同じ以上に、グルテンフリーの生活をストレスなく送るための方法があると信じています。僕にとってベジタリアンの生活が思っていた以上に楽だったことと同様に、グルテンフリーの生活もそこまで苦ではないと想定しています。
だから僕はここでもオープンマインドになって、グルテンフリーの生活に挑戦してみようと思っています。それで合わなければ、辞めると思います。
この記事を読んでくれているあなたも、グルテンフリーやベジタリアンに対してオープンマインドになって「とりあえずやってみよう」と思ってもらえれば嬉しいです。
ちなみにジョコビッチ選手は今ではプラントベースの食事に取り組んでいる

この本を読んでいて違和感を感じていたのですが、この本を書いた2015年当時、ジョコビッチ選手は鶏肉や魚や卵を食事に取り入れていました。なぜ違和感を感じたかというと、ジョコビッチ選手はヴィーガンだというイメージがあったからです。
そこで調べてみたところ、2019年のウィンブルドン優勝後のインタビューにて「数年前からプラントベースの食事を採用している」ことを打ち明けていました。
ジョコビッチ選手はベジタリアンだとかヴィーガンであるとかラベルで区切ることを良く思っていないようで、自身のことをヴィーガンと名乗ることはありませんでした。しかしながら、数年前から鶏肉や卵といった動物性タンパク質の摂取をやめ、プラントベースの食事を採用しているようです。

プラントベースを始めた理由は、テニスプレイヤーとしての健康面だけでなく、気候変動や動物環境問題に影響を受けたからであると述べていました。
また、プラントベースに移行してからもテニスのパフォーマンスに満足しているし、日常的な健康においても気分がとても良いと感じているみたいです。
この本を読んで、自分で調べ、自分の頭で考えて日常の行動を決めているジョコビッチ選手がプラントベースを採用し始めたということは、ベジタリアンに取り組んでいる僕にとっても後押しされるような情報でした。
ジョコビッチ選手のすごいところ

僕はアスリートとしてジョコビッチ選手のすごいところは、「自分の頭で考えているところ」だと思います。
ジョコビッチ選手ほどの成績を残していれば、栄養士やトレーナーを雇うお金にも困らず、すべて彼らに任せる事ができると思います。しかし、彼のすごいところはしっかりと自分で理解をしてから取り組むところだと思います。きっと世界のトップアスリートの中でもここまで栄養や自分の体について理解を深められている選手はそう多くないと思います。だからこそ、世界1位で居続けることができているんだと思います。
ジョコビッチ選手といえばワクチン摂取の問題で、大会に参加できず批判を受けることがありました。僕の意見としては、「ジョコビッチ選手のことだから、しっかりとワクチンについて自分で調べた上で、打たない決断をしたんだろう」と、彼の決断には賛成です。
少なくとも僕のように何も調べずに言われるがままにワクチンを3回も摂取した人が、彼を責める権利はないように思いました。
しかし、世間ではジョコビッチ選手はテニスプレーヤーでしかなく、彼がここまで自分で調べるような選手であることは知られていません。にもかかわらず、批判を多く受けていたので僕としては少し残念な気持ちになりました。
少しはジョコビッチ選手を見る目が変わってもらえれば良いなと思います。
まとめ

3年ぶりに読んだこの本は、3年前に読んだときよりも100倍面白かったです。その理由は僕自身の栄養への知識量が増えたことによって、彼が伝えたいことを受け取れるようになったからだと思います。
僕は栄養や健康に関する勉強は、投資に近いものだと考えています。詳しくなったからといって今すぐ変わるものでもないし、今すぐお金になるものでもありません。しかし、それでも時間をかけて勉強したことによって、明らかに自分のなかで栄養の知識が蓄積してきています。そして徐々にその成果が日々の健康や、サッカーのパフォーマンスに現れてきています。だから僕はあの頃に勉強してよかったと思っているしこれからもっと勉強していきたいと思っています。
僕はこれからグルテンフリーについて自分でしっかりと勉強をして理解を深めた上で、グルテンフリーに挑戦したいと思います。
最後にもう一度言いますが彼の一番伝えたかったメッセージはこれです。
「一番大切なことは、まず耳を傾けることだ」
僕はブログやTwitterでベジタリアンの魅力を発信していますが、僕がベジタリアンになることができたのも「オープンマインド」になることから始まりました。
この記事を読んでくれたあなたにも、グルテンフリーだけでなくベジタリアンやヴィーガンに対してもオープンマインドにになってもらえれば嬉しいです。きっと違う世界が見えてきます。
Twitterでは、ベジタリアンアスリートとしての日々の食事や気づきを発信していますので、フォローよろしくおねがいします。

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